このガイドでは、ゲームを Input SDK for Unity の 1.0 から 1.1 にアップグレードする方法について説明します。Java と Kotlin の手順については、こちらをクリックしてください。
リリースノート
PC 版 Google Play Games は、Input SDK を使用してゲームが提供するキー バインディングに基づくキーボード コントロールの再マッピングをサポートしています。
ユーザーがこの機能にアクセスするには、オーバーレイを開き、コントロールを選択してから、再マッピングするアクションをクリックします。
PC 版 Google Play Games は、ユーザーが再マッピングしたすべての入力をゲームのデフォルト入力にマッピングします。これにより、ゲームがプレーヤーの再マッピングを認識する必要がなくなります。ゲーム内のキーボード コントロールの表示など、ゲーム内アクションの新しい入力を把握する必要がある場合は、必要に応じてコールバックを登録してイベントの再マッピングを通知できます。
PC 版 Google Play Games では、ユーザーの再マッピングされたコントロールがローカルに保存され、ゲーム セッション間で維持されます。これらの設定はローカルに保存されるため、モバイル エクスペリエンスに影響を与えることはありません。また、これらの設定は PC 版 Google Play Games をアンインストールすると削除されます。設定は複数の PC デバイスの間では保持されません。
ゲーム内でキーの再マッピングを有効にするために Input SDK をアップグレードする必要はありませんが、サポートされていない設定が検出された場合、ゲームで再マッピングが無効になります。
入力再マッピング エクスペリエンスを制御する場合、またはゲームで再マッピング機能が無効になっている場合は、次の手順を行います。
- Input SDK
1.1.1-beta
にアップグレードします。 - サポートされていない設定を避けるため、キー バインディングを更新します。
InputMap
を更新して、再マッピング機能を有効にします。
ゲームの再マッピング機能を無効にし、一方でキー バインディングの読み取り専用バージョンを引き続き表示するには、次の手順を行います。
- Input SDK
1.1.1-beta
にアップグレードします。 InputMap
を更新して、再マッピング機能を無効にします。
Input SDK のバージョンを 1.1.1-beta
にアップグレードすると、PC 版 Google Play Games の高度な再マッピング機能を利用できます。InputContexts
を使用してゲームのさまざまなシーンのコントロールを定義し、再マッピング イベントをリッスンするコールバックを追加し、ユーザーが再マッピングできない予約済みキーのセットを定義し、InputAction
、InputGroup
、または InputMap
ごとに再マッピング機能を無効にします。
アップグレードの際は、次の例外を考慮してください。
サポートされていない設定
次の条件が満たされない場合、入力の再マッピングは無効になります。
複数のキーを使用する
InputAction
は、修飾キーと非修飾子キーで構成する必要があります。たとえば、Shift+A は有効ですが、A+B 、Ctrl+Alt 、Shift+A+Tab は無効です。2 つ以上の
InputAction
オブジェクトまたはInputGroup
オブジェクトで同じ一意の ID を共有できません。
InputContext のご紹介
InputContext
を使用すると、ゲーム内の複数のアクションに同じキーを使用しても競合が発生しません。これにより、ゲームにおいて Space でゲームプレイ中のジャンプやメニュー選択の確定を行っている場合、プレイヤーはメニューでの
次のシーケンス図は、実行時に setInputContext()
API がどのように機能するかを示しています。
アップグレード
Input SDK の以前の実装を使用しているゲームでも、サポートされていない設定を使用している場合を除き、基本的な再マッピングがサポートされます。以前のバージョンの Input SDK をゲームで使用している場合は、0.0.4 から 1.0.0 ベータ版へのアップグレード ガイドをご覧ください。
1.1.1 ベータ版にアップグレードすると、次のような新機能を利用できます。
- コンテキストの変更をトリガーする。
- キーマッピング イベントの通知を受信する。
- アクション、グループ、コンテキスト、マップにより再マッピングを無効化する。
設置
Unity プラグイン v1.1.1-beta を利用できます。ゲームにインストールされている Input SDK の以前のバージョンを削除し、現在のバージョンにアップグレードする必要があります。
Input SDK v1.1.1-beta をゲームに追加するには、SDK を追加するをご覧ください。
静的フィールドを定義する
バージョン 1.1.1-beta では、InputActions
、InputGroups
、InputContexts
、InputMap
オブジェクトを InputMappingProvider
クラスの静的フィールドとして定義することをおすすめします。これらのフィールドは、アプリの他の部分からアクセスできるためです。
#if PLAY_GAMES_PC
using Java.Lang;
using Java.Util;
using Google.Android.Libraries.Play.Games.Inputmapping;
using Google.Android.Libraries.Play.Games.Inputmapping.Datamodel;
public class InputSDKMappingProvider : InputMappingProviderCallbackHelper
{
public static readonly string INPUT_MAP_VERSION = "1.0.0";
private static readonly InputAction driveInputAction =
InputAction.Create(...);
private static readonly InputGroup roadInputGroup = InputGroup.Create(...);
public static readonly InputContext roadControlsContext =
InputContext.Create(...);
public static readonly InputMap inputMap = InputMap.Create(...);
public override InputMap OnProvideInputMap()
{
return inputMap;
}
}
#endif
InputActions を更新する
Input SDK 1.0.0-beta
の InputAction.create()
メソッドは非推奨となりました。InputAction
にバージョン ID が付与され、再マッピング可能かどうかをマークできます。Input SDK の 1.0.0-beta
create()
メソッドを使用して定義した InputAction
は、デフォルトで再マッピング可能で、バージョン情報がありません。
Input SDK 1.0.0-beta の InputAction
var driveAction = PlayInputAction.Create(
"Drive",
(long)InputEventIds.DRIVE,
PlayInputControls.Create(
new[] { AndroidKeyCode.KEYCODE_SPACE },
new List<PlayMouseAction>()
)
);
Input SDK 1.1.1-beta の InputAction
private static readonly InputAction driveInputAction = InputAction.Create(
"Drive",
(long)InputEventIds.DRIVE,
InputControls.Create(
new[] { new Integer(AndroidKeyCode.KEYCODE_SPACE) }.ToJavaList(),
new ArrayList<Integer>()),
InputEnums.REMAP_OPTION_ENABLED
);
Input SDK 1.1.1-beta の InputAction(バージョン文字列を使用)
private static readonly InputAction driveInputAction = InputAction.Create(
"Drive",
InputControls.Create(
new[] { new Integer(AndroidKeyCode.KEYCODE_SPACE) }.ToJavaList(),
new ArrayList<Integer>()),
InputIdentifier.Create(
INPUT_MAP_VERSION, (long)InputEventIds.DRIVE),
InputEnums.REMAP_OPTION_ENABLED
);
キー バインディングのバージョニングの詳細については、キー ID をトラッキングするをご覧ください。
InputGroups を更新する
Input SDK 1.1.1-beta
では、各 InputGroup
を一意に識別する必要があります。各 InputAction
は、関連するアクションのコレクションである InputGroup
に属します。これにより、ゲームプレイ中のコントロールのナビゲーションと見つけやすさが向上します。InputAction
では 1 つの InputContext
のすべてのアクションの間で一意の ID が必要ですが、同様に InputGroup
でも既存のグループ間で一意の ID が必要です。
このセクションの例では、ゲームに 2 つの InputContext
オブジェクトがあり、それぞれメインメニューとゲームプレイを表しています。これらのコンテキストで、InputGroup
ごとに次の列挙型を使用して適切な ID をトラッキングします。
public enum InputGroupsIds
{
// Main menu scene
BASIC_NAVIGATION, // WASD, Enter, Backspace
MENU_ACTIONS, // C: chat, Space: quick game, S: store
// Gameplay scene
BASIC_MOVEMENT, // WASD, space: jump, Shift: run
MOUSE_ACTIONS, // Left click: shoot, Right click: aim
EMOJIS, // Emojis with keys 1,2,3,4 and 5
GAME_ACTIONS, // M: map, P: pause, R: reload
}
InputAction
と同様に、Input SDK 1.0.0-beta
の InputGroup.create()
メソッドも非推奨になりました。ゲームの InputGroup
を更新し、バージョン ID と、グループ内の InputAction
オブジェクトが再マッピング可能かどうかを示すブール値を設定する必要があります。Input SDK 1.0.0-beta
で非推奨の create()
メソッドで作成されたグループは再マッピングが可能で、ID は 0、バージョン ID は空の文字列(""
)です。
Input SDK 1.0.0-beta の InputGroup
var gameInputGroup = PlayInputGroup.Create(
"Road controls",
new List<PlayInputAction>
{
driveAction,
turboAction,
openGarageAction,
openPgsAction,
openStoreAction
}
);
Input SDK 1.1.1-beta の InputGroup
private static readonly InputGroup roadInputGroup = InputGroup.Create(
"Road controls",
new[]
{
driveInputAction,
turboInputAction,
openGarageInputAction,
openPgsInputAction,
openStoreInputAction,
}.ToJavaList(),
(long)InputGroupsIds.ROAD_CONTROLS,
// All input actions of this group will be remappable unless specified
// the contrary by the individual input actions.
InputEnums.REMAP_OPTION_ENABLED
);
Input SDK 1.1.1-beta の InputGroup(バージョン文字列を使用)
private static readonly InputGroup roadInputGroup = InputGroup.Create(
"Road controls",
new[]
{
driveInputAction,
turboInputAction,
openGarageInputAction,
openPgsInputAction,
openStoreInputAction,
}.ToJavaList(),
InputIdentifier.Create(
INPUT_MAP_VERSION, (long)InputGroupsIds.ROAD_CONTROLS),
// All input actions of this group will be remappable unless specified
// the contrary by the individual input actions.
InputEnums.REMAP_OPTION_ENABLED
);
キー バインディングのバージョニングの詳細については、キー ID をトラッキングするをご覧ください。
InputMap を更新する
Input SDK 1.0.0-beta
の InputMap.create()
メソッドは非推奨となりました。InputMap
を更新してバージョン ID を割り当てるか、再マッピング機能を完全に無効にするか、ユーザーによる再マッピングに使用されないようにする予約済みキーのリストを割り当てます。Input SDK の 1.0.0-beta
create()
メソッドを使用して定義した InputMap
はいずれもデフォルトで再マッピング可能で、ID は 0
です。また、予約済みキーはありません。
Input SDK 1.0.0-beta の InputMap
var gameInputMap = PlayInputMap.Create(
new List<PlayInputGroup>
{
gameInputGroup,
menuInputGroup
},
PlayMouseSettings.Create(false, false)
);
Input SDK 1.1.1-beta の InputMap
public static readonly string INPUT_MAP_VERSION = "1.0.0";
public static readonly long INPUT_MAP_ID = 0;
public static readonly InputMap inputMap = InputMap.Create(
new[] { roadInputGroup, menuInputGroup }.ToJavaList(),
MouseSettings.Create(false, false),
InputIdentifier.Create(INPUT_MAP_VERSION, INPUT_MAP_ID),
// Use ESC as reserved key
InputEnums.REMAP_OPTION_ENABLED,
new[]
{
InputControls.Create(new[]
{
new Integer(AndroidKeyCode.KEYCODE_ESCAPE)
}.ToJavaList(),
new ArrayList<Integer>())
}.ToJavaList()
);
次のステップ
InputContexts
を使用してシーンごとに異なるコントロールを割り当てるか、InputRemappingListeners
を使用して再マッピング イベントの通知を受け取ることでゲームの UI を更新し、1.1.1-beta へのアップグレードを続けます。
キー バインディングを更新する場合は、キー バインディングの設計に関するベスト プラクティスを参照し、再マッピング機能の制約と制限を考慮してください。