Android Studio には開発の段階ごとにツールが用意されていますが、最も重要なのはアプリを作成するツールです。このツールにより、コードの記述、レイアウトの構築、画像の作成など、アプリ作成プロセス全体の生産性を高めることができます。
このセクションでは、アプリを短時間で作成するために役立つツールについて説明します。
コーディングの生産性
以下では、コーディングの生産性を高めるために役立つ機能をいくつか紹介します。
コード補完
コード補完は、入力ミスを減らし、クラス、メソッド、変数の名前を調べる手間を省くことで、アプリの開発をスピードアップします。コードエディタには、ベーシック補完、スマート補完、ステートメント補完の機能があります。
詳細については、コード補完をご覧ください。
カスタムコード補完テンプレートの作成
ライブ テンプレートを使用したコード スニペットの入力では、コードの小さなチャンクをすばやく挿入して補完できます。ライブ テンプレートを挿入するには、テンプレートの短縮名を入力して Tab キーを押します。テンプレートに関連付けられたコード スニペットがコードに挿入されます。
たとえば、短縮名 comp
を入力して Tab キーを押すと、新しいコンポーズ可能な関数のコードが挿入されます。または、「loge
」と入力して Log.e()
メソッドを検索し、コードからログを記録します。
サポートされているライブ テンプレートのリストを表示およびカスタマイズするには、[File] > [Settings] > [Editor] > [Live Templates](macOS では [Android Studio] > [Settings] > [Editor] > [Live Templates])をクリックします。
詳細については、ライブ テンプレートの記事をご覧ください。
lint によるクイック修正
Android Studio には、lint と呼ばれるコードスキャン ツールがあります。このツールを使用すると、アプリの実行またはテストの作成を行わずに、コードの構造上の品質に関する問題を特定して修正できます。
アプリをビルドすると、そのたびに Android Studio は lint を実行して、ソースファイルの潜在的なバグをチェックし、正確性、セキュリティ、パフォーマンス、ユーザビリティ、ユーザー補助、国際化機能を最適化するための改善点を検出します。
詳細については、Lint をご覧ください。
ドキュメントとリソースの詳細の表示
メソッド名、メンバー名、クラス名にキャレットを置いて F1 キーを押すと、API のドキュメントを表示できます。
画像やテーマなど、その他のリソースの情報も表示できます。たとえば、Android マニフェスト ファイル内でテーマ名にキャレットを置いて F1 キーを押すと、テーマの継承階層とさまざまな属性の色または画像を表示できます。
新しいファイルを迅速に作成する
新しいファイルを作成するときは、[Project] ウィンドウで保存先ディレクトリをクリックしてから、Alt+Insert キー(Mac では Command+N キー)を押します。選択したディレクトリに適したファイル形式の候補が、小さなウィンドウに一覧表示されます。
リソースの操作
Android Studio には、リソース ファイルの作成と管理に役立つ以下の機能とツールが用意されています。
詳細については、アプリのリソースの追加をご覧ください。
あらゆる画面密度に適した画像の作成
Android Studio には、個々の画面密度をサポートする画像の作成に役立つ Vector Asset Studio というツールが含まれています。独自の SVG ファイルを編集用にアップロードしたり、Google が提供する多くのマテリアル デザイン アイコンを選択したりできます。このツールを使用するには、[File] > [New] > [Vector Asset] をクリックします。
詳細については、Vector Asset Studio の説明をご覧ください。
画像と色のプレビュー
コード内で画像またはアイコンを参照すると、左の余白に画像のプレビューが表示されます。これにより、画像またはアイコンの参照を簡単に確認できます。
フルサイズの画像を表示するには、左の余白でサムネイルをクリックします。また、アセットへのインライン参照にキャレットを置いて F1 キーを押すと、すべての代替サイズを含む画像の詳細が表示されます。
新しいレイアウトの作成
Android Studio では、コンポーザブルのプレビュー関数を使用して、コンポーザブル レイアウトをプレビューできます。コンポーザブルのプレビューは、ファイルの [Design] ビューに表示され、コンポーザブルを編集するとリアルタイムで更新されます。
XML レイアウトを使用している場合、Android Studio には Layout Editor が用意されており、レイアウトをプレビューしながら、XML を編集できます。
UI 文字列の翻訳
Translations Editor ツールを使用すると、すべての翻訳済みリソースを単一のビューに表示できるので、strings.xml
ファイルの個々のバージョンを開くことなく、容易に翻訳を変更または追加できるだけでなく、翻訳漏れも検出できます。文字列を含むファイルをアップロードして翻訳サービスを利用することもできます。
このツールを使用するには、いずれかの strings.xml
ファイルを右クリックして、[Open Translations Editor] をクリックします。
詳細については、Translations Editor の説明をご覧ください。