大画面はユーザー エクスペリエンスを拡張します。タブレット、折りたたみ式デバイス、Chrome OS デバイスの大画面は、詳細なコンテンツを見やすくし、マルチタスクとドラッグ&ドロップの生産性を高め、小さい画面では不可能なユーザー インターフェースを可能にします。
あらゆる画面サイズに対応したデザイン
大小さまざまな画面をサポートするには、あらゆる種類のデバイスで最適なユーザー エクスペリエンスを提供できるレスポンシブ / アダプティブ レイアウトをデザインします。
まず、以下をご確認ください。
ウィンドウ サイズクラス
ウィンドウ サイズクラスは、レスポンシブ / アダプティブ デザインの実装に役立つ独自のビューポート ブレークポイントのセットです。ウィンドウ サイズクラスを使用すると、アプリで利用可能な表示領域を COMPACT、MEDIUM、EXPANDED に分類し、最適化なレイアウトを適用できます。
各種の画面サイズのサポートのウィンドウ サイズクラスをご覧ください。
アダプティブ アプリのナビゲーション
小さい画面にはボトム ナビゲーション バーが適していますが、大きい画面では、ナビゲーション レールまたはナビゲーション ドロワーを使用することで、拡大された画面スペースをより有効に活用できます。画面サイズの変化に合わせてアプリのナビゲーションを調整します。
構成の変更と継続性を制御する
デバイスの回転、マルチ ウィンドウ モードでのウィンドウ サイズの変更、折りたたみ式デバイスの折りたたみまたは展開などの構成の変更により、ユーザーがそれまで見ていたものを見失ったり、もっと悪いことにはデータを失ったりすることがあります。
構成の変更時にアプリが状態を保持または復元し、メディア再生などの進行中のプロセスを再開するようにします。
以下をご覧ください。
マルチタスクをサポートする
大画面ではマルチタスクの実行が容易になります。Android デバイスでは、次の特別な表示モードを使用して、マルチタスクを実行できます。
- マルチウィンドウ
- ピクチャー イン ピクチャー
- マルチインスタンス
マルチ ウィンドウ モード
分割画面モードまたはフリーフォーム モードで、アプリを他のアプリと同時に実行できます。
アプリがマルチ ウィンドウ モードのときは、WindowMetrics
API を使用して、アプリ ウィンドウのサイズまたはデバイス画面のサイズを正確に判別します。
マルチウィンドウのサポートをご覧ください。
複数のアプリの再開
Android 10(API レベル 29)以降では、デバイスがマルチ ウィンドウ モードのとき、フォーカスされていないアクティビティは RESUMED 状態のままになります。
アプリが最優先でフォーカスされているアプリでないとき、メディア再生やファイルのダウンロードなどの進行中のプロセスを続行することにより、アプリが複数のアプリの再開をサポートするようにします。また、アプリはカメラやマイクなどの排他的リソースの喪失も処理する必要があります。
マルチウィンドウのサポートのマルチウィンドウのライフサイクルをご覧ください。
ピクチャー イン ピクチャー モード
アプリが動画コンテンツを再生する場合は、ピクチャー イン ピクチャー モードを実装して、ユーザーが別のアプリを操作している間も動画再生を続けられるようにします。
ピクチャー イン ピクチャー(PIP)のサポートをご覧ください。
マルチインスタンス モード
マルチインスタンスのサポートにより、アプリの 2 つ以上のインスタンスを同時に実行します。
マルチウィンドウのサポートのマルチインスタンスをご覧ください。
ドラッグ&ドロップを追加する
大画面には、アプリ内でドラッグ&ドロップ操作を行える広いスペースがあります。また、Android 7.0(API レベル 24)以上では、マルチ ウィンドウ モードのときにアプリ間でドラッグ&ドロップ操作を行えます。
Android のドラッグ&ドロップ フレームワークを使用して、アプリにドラッグ&ドロップ機能を追加します。
ドラッグ&ドロップをご覧ください。
外部デバイスからの入力を受け入れる
ユーザーは、多くの場合、タブレットに外付けキーボードを接続します。Chromebook はキーボードとトラックパッドを内蔵しています。
アプリで、外付けキーボード、マウス、トラックパッドのサポートを有効にします。キーボード ショートカット、マウスとトラックパッドのズーム機能と右クリック機能のサポートも有効にします。
大画面での入力の互換性をご覧ください。
ユーザー補助
Tab キーや矢印キーによるキーボード ナビゲーションを含むユーザー補助機能をサポートして、よりインクルーシブで使いやすいアプリを作成します。
ユーザーが利用しやすいアプリを作成するをご覧ください。
カメラ プレビューを確認する
アプリにカメラ プレビューが含まれている場合は、大画面での画面の向きとアスペクト比をプレビューで確認します。大画面の折りたたみ式デバイスでは、デバイスが縦向きになっているときでも、横向きのアスペクト比を使用できます。大画面で使いやすいマルチ ウィンドウ モードでは、デバイスが横向きになっている場合に、サイズ変更が可能なウィンドウに縦向きのアプリを表示できます。
以下をご覧ください。
メディア プロジェクションを管理する
メディア プロジェクションでは、実際の(ソース)ディスプレイの境界に基づいて仮想ディスプレイが作成されます。実際のディスプレイは、デバイスがマルチ ウィンドウ モードになっていて、メディア プロジェクションを作成するアプリがウィンドウで実行されている場合でも、デバイス画面全体になります。
大画面でのメディア プロジェクションの正しい境界を取得するには、Android 11(API レベル 30)で導入された WindowMetrics
API を使用するか、API レベル 14 までの互換性をさかのぼって確保するために Jetpack WindowManager の WindowMetrics
API を使用することをおすすめします。
大画面でのメディア プロジェクションをご覧ください。
アクティビティの埋め込みを使用してアプリを拡張する
アクティビティの埋め込みを使用して、大画面の広い表示領域を活用できます。XML 構成ファイルを作成するか、Jetpack WindowManager API 呼び出しを行って、アクティビティ ベースのアプリをマルチペイン レイアウトに変換します。アプリのアクティビティを並べて表示するか重ねて表示することにより、まったく新しいアプリのような外観を作成できます。
アクティビティの埋め込みをご覧ください。
折りたたみ式デバイス向けにビルドする
大画面の折りたたみ式デバイスは、スマートフォンとタブレットを一体化したようなものです。テーブルトップとブックの形状を取る折りたたみ機能は、ユーザー エクスペリエンスに新しい可能性をもたらします。折りたたみ式デバイスの独自の機能をサポートすることで、アプリを差別化できます。
以下をご覧ください。
品質に関するガイドラインを遵守する
大画面アプリの品質に関するガイドラインは、大画面でのアプリの最適化を容易にするために作成、更新されてきました。このガイドラインは、ほとんどの種類の Android アプリに関する品質要件を包括的にまとめたものです。スマートフォン、タブレット、折りたたみ式デバイス、Chrome OS デバイスで適切に動作するアプリを作成するには、このガイドラインを遵守してください。
大画面アプリの品質をご覧ください。
参考情報
- 大画面向けの開発の動画コレクション