TextField
を使用すると、ユーザーがテキストの入力や変更を行えるようになります。このページでは、TextField
を実装する方法、TextField
入力のスタイルを設定する方法、キーボード オプションやユーザー入力の視覚的な変換などの他の TextField
オプションを構成する方法について説明します。
TextField
の実装を選択する
TextField
の実装には次の 2 つのレベルがあります。
TextField
はマテリアル デザインの実装であり、この実装は、マテリアル デザイン ガイドラインに沿って選択することをおすすめします。BasicTextField
を使用すると、ユーザーはハードウェア キーボードまたはソフトウェア キーボードでテキストを編集できますが、ヒントやプレースホルダなどの装飾は表示されません。
@Composable fun SimpleFilledTextFieldSample() { var text by remember { mutableStateOf("Hello") } TextField( value = text, onValueChange = { text = it }, label = { Text("Label") } ) }
@Composable fun SimpleOutlinedTextFieldSample() { var text by remember { mutableStateOf("") } OutlinedTextField( value = text, onValueChange = { text = it }, label = { Text("Label") } ) }
スタイルTextField
TextField
と BasicTextField
は、カスタマイズ用のパラメータを多数共有しています。TextField
の完全なリストについては、TextField
ソースコードをご覧ください。有用なパラメータの一部を以下に示します。
singleLine
maxLines
textStyle
@Composable fun StyledTextField() { var value by remember { mutableStateOf("Hello\nWorld\nInvisible") } TextField( value = value, onValueChange = { value = it }, label = { Text("Enter text") }, maxLines = 2, textStyle = TextStyle(color = Color.Blue, fontWeight = FontWeight.Bold), modifier = Modifier.padding(20.dp) ) }
デザインにマテリアルの TextField
または OutlinedTextField
が必要な場合は、BasicTextField
ではなく TextField
をおすすめします。ただし、マテリアル仕様の装飾を必要としないデザインを構築する場合には、BasicTextField
を使用する必要があります。
Brush API による入力のスタイル設定
TextField
で高度なスタイル設定を行うには、Brush API を使用します。次のセクションでは、ブラシを使用して TextField
入力に色付きのグラデーションを追加する方法について説明します。
Brush API を使用してテキストにスタイルを設定する方法については、Brush API で高度なスタイル設定を有効にするをご覧ください。
TextStyle
を使用して色付きグラデーションを実装する
TextField
内での入力時にカラー グラデーションを実装するには、使用するブラシを TextField
の TextStyle
に設定します。この例では、linearGradient
で組み込みのブラシを使用して、TextField
にテキストを入力すると、レインボー グラデーション効果が表示されます。
var text by remember { mutableStateOf("") } val brush = remember { Brush.linearGradient( colors = rainbowColors ) } TextField( value = text, onValueChange = { text = it }, textStyle = TextStyle(brush = brush) )
キーボード オプションを設定する
TextField
を使用すると、キーボード レイアウトなどのキーボード構成オプションを設定できます。また、キーボードでサポートされている場合は、自動修正を有効にすることも可能です。ソフトウェア キーボードが次に示すオプションに対応していない場合、一部のオプションは保証されない可能性があります。サポートされているキーボード オプションの一覧を次に示します。
capitalization
autoCorrect
keyboardType
imeAction
入力をフォーマットする
TextField
を使用すると、入力値に VisualTransformation
を設定できます。たとえば、パスワードの文字を *
で置き換えたり、クレジット カード番号の 4 桁の数字ごとにハイフンを挿入したりできます。
@Composable fun PasswordTextField() { var password by rememberSaveable { mutableStateOf("") } TextField( value = password, onValueChange = { password = it }, label = { Text("Enter password") }, visualTransformation = PasswordVisualTransformation(), keyboardOptions = KeyboardOptions(keyboardType = KeyboardType.Password) ) }
その他の例については、VisualTransformationSamples
ソースコードをご覧ください。
入力をクリーンアップする
テキストを編集する場合の一般的なタスクは、先頭の文字列を削除することか、あるいは変更されるたびに入力文字列を変換することです。
一つのモデルとして、onValueChange
ごとにキーボードから任意の大幅な編集がなされる場合を考える必要があります。たとえば、ユーザーが自動修正や、単語の絵文字への置き換えなど、高度な編集機能を使用する場合です。これを適切に処理するには、今回 onValueChange
に渡されるテキストは、前回または次回 onValueChange
に渡される値と無関係であるという前提で、変換ロジックを作成します。
また、先頭のゼロを禁止するテキスト フィールドを実装するには、値が変更されるたびに先頭のゼロをすべて削除します。
@Composable fun NoLeadingZeroes() { var input by rememberSaveable { mutableStateOf("") } TextField( value = input, onValueChange = { newText -> input = newText.trimStart { it == '0' } } ) }
テキストを削除する際にカーソルの位置を制御するには、状態の一部として TextField
の TextFieldValue
オーバーロードを使用します。
状態に関するベスト プラクティス
以下は、アプリで入力の問題が発生しないように TextField
状態を定義して更新するための一連のベスト プラクティスです。
MutableState
を使用してTextField
状態を表現する:StateFlow
などのリアクティブ ストリームを使用してTextField
状態を表現しないでください。このような構造では非同期の遅延が発生する可能性があります。
class SignUpViewModel : ViewModel() { var username by mutableStateOf("") private set /* ... */ }
- 遅延を回避して状態を更新する:
onValueChange
を呼び出したら、TextField
を同期的かつ直ちに更新します。
// SignUpViewModel.kt class SignUpViewModel(private val userRepository: UserRepository) : ViewModel() { var username by mutableStateOf("") private set fun updateUsername(input: String) { username = input } } // SignUpScreen.kt @Composable fun SignUpScreen(/*...*/) { OutlinedTextField( value = viewModel.username, onValueChange = { username -> viewModel.updateUsername(username) } /*...*/ ) }
- 状態を定義する場所:
TextField
状態に入力時のビジネス ロジック検証が必要な場合は、状態をViewModel
にホイスティングするのが適切です。そうでない場合は、コンポーザブルまたは状態保持クラスを信頼できる情報源として使用できます。状態をホイスティングする場所の詳細については、状態のホイスティングに関するドキュメントをご覧ください。
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