Espresso Device API を使用して画面構成の変更をテストする

Espresso Device API を使用して、デバイスの回転や画面の展開など、デバイスで一般的な構成変更が行われたときにアプリをテストします。Espresso Device API を使用すると、仮想デバイスでこれらの構成変更をシミュレートし、テストを同期的に実行できます。これにより、一度に発生する UI アクションまたはアサーションは 1 つだけになり、テスト結果の信頼性が向上します。Espresso で UI テストを作成するのは初めての場合は、ドキュメントをご覧ください。

Espresso Device API を使用するには、次のものが必要です。

  • Android Studio Iguana 以降
  • Android Gradle プラグイン 8.3 以降
  • Android Emulator 33.1.10 以降
  • API レベル 24 以降を実行する Android 仮想デバイス

Espresso Device API 用にプロジェクトを設定する

Espresso Device API をサポートするようにプロジェクトを設定する手順は次のとおりです。

  1. テストでテストデバイスにコマンドを渡すには、androidTest ソースセットのマニフェスト ファイルに INTERNET 権限と ACCESS_NETWORK_STATE 権限を追加します。

      <uses-permission android:name="android.permission.INTERNET" />
      <uses-permission android:name="android.permission.ACCESS_NETWORK_STATE" />
      
  2. gradle.properties ファイルで enableEmulatorControl 試験運用フラグを有効にします。

      android.experimental.androidTest.enableEmulatorControl=true
      
  3. モジュール レベルのビルド スクリプトで emulatorControl オプションを有効にします。

    Kotlin

      testOptions {
        emulatorControl {
          enable = true
        }
      }
      

    Groovy

      testOptions {
        emulatorControl {
          enable = true
        }
      }
      
  4. モジュール レベルのビルド スクリプトで、Espresso Device ライブラリをプロジェクトにインポートします。

    Kotlin

      dependencies {
        androidTestImplementation("androidx.test.espresso:espresso-device:1.0.1")
      }
      

    Groovy

      dependencies {
        androidTestImplementation 'androidx.test.espresso:espresso-device:1.0.1'
      }
      

一般的な構成変更をテストする

Espresso Device API には、デバイス構成の変更をシミュレートするために使用できる複数の画面の向きと折りたたみ式デバイスの状態があります。

画面の回転に対するテスト

デバイスの画面が回転したときにアプリにどのような影響があるかをテストする方法の例を次に示します。

  1. まず、一貫した開始状態にするために、デバイスを縦向きに設定します。

      import androidx.test.espresso.device.action.ScreenOrientation
      import androidx.test.espresso.device.rules.ScreenOrientationRule
      ...
      @get:Rule
      val screenOrientationRule: ScreenOrientationRule = ScreenOrientationRule(ScreenOrientation.PORTRAIT)
      
  2. テスト実行中にデバイスを横向きに設定するテストを作成します。

      @Test
      fun myRotationTest() {
        ...
        // Sets the device to landscape orientation during test execution.
        onDevice().setScreenOrientation(ScreenOrientation.LANDSCAPE)
        ...
      }
      
  3. 画面が回転したら、UI が想定どおりに新しいレイアウトに適応していることを確認します。

      @Test
      fun myRotationTest() {
        ...
        // Sets the device to landscape orientation during test execution.
        onDevice().setScreenOrientation(ScreenOrientation.LANDSCAPE)
        composeTestRule.onNodeWithTag("NavRail").assertIsDisplayed()
        composeTestRule.onNodeWithTag("BottomBar").assertDoesNotExist()
      }
      

画面の開く動作に対するテスト

折りたたみ式デバイスで画面が開いた場合にアプリにどのような影響があるかをテストする方法の例を次に示します。

  1. まず、onDevice().setClosedMode() を呼び出して、デバイスが折りたたまれた状態でテストします。アプリのレイアウトがコンパクトな画面幅に適応していることを確認します。

      @Test
      fun myUnfoldedTest() {
        onDevice().setClosedMode()
        composeTestRule.onNodeWithTag("BottomBar").assetIsDisplayed()
        composeTestRule.onNodeWithTag("NavRail").assetDoesNotExist()
        ...
      }
      
  2. 完全に開いた状態に遷移するには、onDevice().setFlatMode() を呼び出します。アプリのレイアウトが拡張されたサイズクラスに適応していることを確認します。

      @Test
      fun myUnfoldedTest() {
        onDevice().setClosedMode()
        ...
        onDevice().setFlatMode()
        composeTestRule.onNodeWithTag("NavRail").assertIsDisplayed()
        composeTestRule.onNodeWithTag("BottomBar").assetDoesNotExist()
      }
      

テストに必要なデバイスを指定する

折りたたみ式ではないデバイスで折りたたみ操作を実行するテストを実行すると、テストは失敗する可能性があります。実行中のデバイスに関連するテストのみを実行するには、@RequiresDeviceMode アノテーションを使用します。テストランナーは、テスト対象の構成をサポートしていないデバイスでのテストの実行を自動的にスキップします。デバイス要件ルールは、各テストまたはテストクラス全体に追加できます。

たとえば、フラット構成への展開をサポートするデバイスでのみテストを実行するように指定するには、次の @RequiresDeviceMode コードをテストに追加します。

@Test
@RequiresDeviceMode(mode = FLAT)
fun myUnfoldedTest() {
  ...
}