ジェスチャー ナビゲーション

Android Q では、完全なジェスチャー ナビゲーション用のオプションが導入されています。この機能を使用する場合、アプリ デベロッパーは次の 2 点を行う必要があります。

  • アプリのコンテンツを画面全体に拡大する。
  • 競合するアプリのジェスチャーに対処する。

エッジ ツー エッジのアプリ コンテンツ

フローティング ナビゲーション バーによって利用できるようになった追加の画面スペースを利用するためには、アプリになんらかの変更を加える必要があります。

透明なシステムバーの設定

透明なシステムバーを設定するには、以下の値をテーマに設定します。

<!-- values-29/themes.xml: -->

    <style name="AppTheme" parent="...">
        <item name="android:navigationBarColor">@android:color/transparent</item>

        <!-- Optional, but recommended for full edge-to-edge rendering -->
        <item name="android:statusBarColor">@android:color/transparent</item>
    </style>
    

また、Window.setNavigationBarColor()Window.setStatusBarColor() を使用すると、透明なシステムバーを動的に設定できます。

UI 表示フラグの設定

ビューを画面全体にレイアウトできるようにするには、アプリでこうしたビューの処理が可能であることをアプリからシステムに伝える必要があります。そのためには、View.setSystemUiVisibility() を使用して次のフラグを設定します。

Kotlin

    view.setSystemUiVisibility(View.SYSTEM_UI_FLAG_LAYOUT_HIDE_NAVIGATION
            or View.SYSTEM_UI_FLAG_LAYOUT_STABLE)
    

Java

    view.setSystemUiVisibility(View.SYSTEM_UI_FLAG_LAYOUT_HIDE_NAVIGATION
            | View.SYSTEM_UI_FLAG_LAYOUT_STABLE);
    

さらに、これらのフラグにより、ナビゲーション バーとステータスバーが存在しないかのようにアプリを画面全体にレイアウトする必要があることをシステムに指示します。また、追加の全画面表示イベント用に SYSTEM_UI_FLAG_LAYOUT_FULLSCREEN を設定することで、ステータスバーの背後に描画することもできます。

ステータスバーを自動的に処理するビュークラス(CoordinatorLayoutDrawerLayout など)を使用している場合、SYSTEM_UI_FLAG_LAYOUT_STABLE フラグと SYSTEM_UI_FLAG_LAYOUT_FULLSCREEN フラグがすでに設定されていることがあります。また、setSystemUiVisibility() を使用して他のフラグ(SYSTEM_UI_FLAG_IMMERSIVE など)を設定している場合は、それらのフラグが上述のフラグを上書きしていないように注意する必要があります。

アプリがエッジ ツー エッジのビューを使用している場合でも、システムは引き続き、システムバーの場所を示すために WindowInsets API を使用します。

手動での Insets の使用

アプリでカスタムのビュー階層を使用する場合、システム ウィンドウの Insets を手動で使用する必要が生じることがあります。その場合は通常、OnApplyWindowInsetsListener インターフェースを実装します。

Kotlin

    view.setOnApplyWindowInsetsListener() {v, insets ->
        insets.consumeSystemWindowInsets()
    

Java

    view.setOnApplyWindowInsetsListener(new View.OnApplyWindowInsetsListener() {
        @Override
        public WindowInsets onApplyWindowInsets(View v, WindowInsets insets) {
            // 1. Move views on top edge down by insets.getSystemWindowInsetTop()
            // 2. Move views on bottom edge up by insets.getSystemWindowInsetBottom()
            // 3. Also check getSystemWindowInsetLeft/Right()
            //    (i.e landscape orientations)
            return insets.consumeSystemWindowInsets();
        }
    });
    

WindowInsetsgetSystemWindowInsets() を介して、すべてのシステムバーに通常の表示用の Insets を提供します。また、Android Q では以下のメソッドが WindowInsets に追加されています。

競合するアプリのジェスチャーへの対処

ジェスチャー ナビゲーション モデルでは、アプリ デベロッパーが以前に使用していたジェスチャーと競合することがあります。そのため、アプリのユーザー インターフェースの調整が必要になることがあります。

「戻る」のジェスチャーとの競合

「戻る」の新しいシステム ジェスチャーは、画面の左または右端から内側へのスワイプです。このジェスチャーが、これらの領域内におけるアプリのナビゲーション要素を妨げる可能性があります。画面の左端および右端でのナビゲーション要素の機能を維持するには、タップ入力を受け入れる必要がある領域をシステムに示すことで、「戻る」ジェスチャーを選択的に無効にする必要があります。そのためには、Android Q で導入された View.setSystemGestureExclusionRects() API に List<Rect> を渡します。このメソッドは、androidx.core:core:1.1.0-dev01 時点での ViewCompat でも使用できます。

例:

Kotlin

    var exclusionRects = listOf(rect1, rect2, rect3)

    fun onLayout(
            changedCanvas: Boolean, left: Int, top: Int, right: Int, bottom: Int) {
      // Update rect bounds and the exclusionRects list
      setSystemGestureExclusionRects(exclusionRects)
    }

    fun onDraw(canvas: Canvas) {
      // Update rect bounds and the exclusionRects list
      setSystemGestureExclusionRects(exclusionRects)
    }
    

Java

    List<Rect> exclusionRects;

    public void onLayout(
            boolean changedCanvas, int left, int top, int right, int bottom) {
        // Update rect bounds and the exclusionRects list
        setSystemGestureExclusionRects(exclusionRects);
    }

    public void onDraw(Canvas canvas) {
        // Update rect bounds and the exclusionRects list
        setSystemGestureExclusionRects(exclusionRects);
    }
    

ホーム ジェスチャーおよびクイック スイッチ ジェスチャーとの競合

ホームとクイック スイッチの新しいシステム ジェスチャーは、以前はナビゲーション バーが表示されていた画面下部のスペースでのスワイプです。アプリは、これらのジェスチャーを「戻る」ジェスチャーのように無効にすることはできません。

この問題を軽減するために、Android Q では、タッチ認識のしきい値をアプリに通知する WindowInsets.getMandatorySystemGestureInsets() API が導入されています。

ビュー階層のないゲームやアプリ

ビュー階層のないゲームやアプリでは、ユーザーがシステム ジェスチャー領域の近くをスワイプすることがよく必要になります。この場合、ゲームは Window.setSystemGestureExclusionRects() を使用して、システム ジェスチャー領域に重なる領域を除外することができます。ゲームプレイ中など、必要なときのみこうした領域を除外するように注意する必要があります。

ゲームでユーザーがホーム ジェスチャー領域の近くをスワイプする必要があれば、アプリは没入モードで配置するようにリクエストできます。これによって、ゲームの操作中はシステム ジェスチャーが無効になりますが、ユーザーは画面を下からスワイプすることで、システム ジェスチャーを再度有効にすることができます。