バブルを使用すると、会話の内容を簡単に把握したり、会話に参加したりできます。
バブルは通知システムに組み込まれています。別のアプリ コンテンツの上にフローティング表示され、ユーザーが画面表示を切り替えても一緒に移動します。バブルを展開すると、そのアプリの機能や情報を表示できます。バブルが不要になったら、折りたたむことが可能です。
デバイスがロックされているときや、アンビエント表示(常時表示ディスプレイ)がアクティブになっているとき、バブルは通常の通知と同じように表示されます。
バブルは、オプトアウト式の機能です。アプリが初めてバブルを表示する際、ユーザーに権限ダイアログが表示され、次の 2 つの選択肢が提示されます。
- このアプリが表示するバブルをすべてブロック - 通知はブロックされませんが、バブルとして表示されることはありません
- このアプリが表示するバブルをすべて許可 -
BubbleMetaData
を使用して送信された通知は、すべてバブルとして表示されます
Bubble API
バブルは Notification API を通じて作成し、通常の通知と同じように送信します。ただし、バブルとして表示するには、通知に追加データを付加する必要があります。
バブルの展開ビューは、デベロッパーが選択したアクティビティから作成されます。適切なバブルとして表示されるようにアクティビティを設定する必要があります。アクティビティの要件として、サイズ変更が可能であること、埋め込み型であることが求められます。この要件を 1 つでも満たさなかった場合は、バブルではなく、通知として表示されます。
シンプルなバブルを実装する方法を次のコードに示します。
<activity
android:name=".bubbles.BubbleActivity"
android:theme="@style/AppTheme.NoActionBar"
android:label="@string/title_activity_bubble"
android:allowEmbedded="true"
android:resizeableActivity="true"
/>
アプリが同一タイプのバブルを複数表示する場合(たとえば、異なる連絡先とのチャット スレッドを複数表示する場合)、そのアクティビティは、複数のインスタンスを起動できる必要があります。Android 10 を搭載しているデバイスでは、documentLaunchMode
を明示的に "always"
に設定しない限り、通知はバブルとして表示されます。Android 11 以降では、すべての会話の documentLaunchMode
が自動的に "always"
に設定されるため、この値を明示的に設定する必要はありません。
バブルを送信する手順は次のとおりです。
- 通常どおり、通知を作成します。
BubbleMetadata.Builder(PendingIntent, Icon)
またはBubbleMetadata.Builder(String)
を呼び出して、BubbleMetadata オブジェクトを作成します。setBubbleMetadata()
を使用して、メタデータを通知に追加します。- Android 11 以降をターゲットとしている場合、バブルのメタデータまたは通知は共有ショートカットを参照する必要があります。
Kotlin
// Create bubble intent val target = Intent(context, BubbleActivity::class.java) val bubbleIntent = PendingIntent.getActivity(context, 0, target, 0 /* flags */) val category = "com.example.category.IMG_SHARE_TARGET" val chatPartner = Person.Builder() .setName("Chat partner") .setImportant(true) .build() // Create sharing shortcut val shortcutId = generateShortcutId() val shortcut = ShortcutInfo.Builder(mContext, shortcutId) .setCategories(setOf(category)) .setIntent(Intent(Intent.ACTION_DEFAULT)) .setLongLived(true) .setShortLabel(chatPartner.name) .build() // Create bubble metadata val bubbleData = Notification.BubbleMetadata.Builder(bubbleIntent, Icon.createWithResource(context, R.drawable.icon)) .setDesiredHeight(600) .build() // Create notification, referencing the sharing shortcut val builder = Notification.Builder(context, CHANNEL_ID) .setContentIntent(contentIntent) .setSmallIcon(smallIcon) .setBubbleMetadata(bubbleData) .setShortcutId(shortcutId) .addPerson(chatPartner)
Java
// Create bubble intent Intent target = new Intent(mContext, BubbleActivity.class); PendingIntent bubbleIntent = PendingIntent.getActivity(mContext, 0, target, 0 /* flags */); private val CATEGORY_TEXT_SHARE_TARGET = "com.example.category.IMG_SHARE_TARGET" Person chatPartner = new Person.Builder() .setName("Chat partner") .setImportant(true) .build(); // Create sharing shortcut private String shortcutId = generateShortcutId(); ShortcutInfo shortcut = new ShortcutInfo.Builder(mContext, shortcutId) .setCategories(Collections.singleton(CATEGORY_TEXT_SHARE_TARGET)) .setIntent(Intent(Intent.ACTION_DEFAULT)) .setLongLived(true) .setShortLabel(chatPartner.getName()) .build(); // Create bubble metadata Notification.BubbleMetadata bubbleData = new Notification.BubbleMetadata.Builder(bubbleIntent, Icon.createWithResource(context, R.drawable.icon)) .setDesiredHeight(600) .build(); // Create notification, referencing the sharing shortcut Notification.Builder builder = new Notification.Builder(mContext, CHANNEL_ID) .setContentIntent(contentIntent) .setSmallIcon(smallIcon) .setBubbleMetadata(bubbleData) .setShortcutId(shortcutId) .addPerson(chatPartner);
バブル送信時に送信元アプリがフォアグラウンドにあった場合、重要度は無視され、バブルは常に表示されます(対象アプリのバブルや通知全般をユーザーがブロックしている場合は除きます)。
展開表示バブルを作成する
バブルは、自動的に展開ビュー状態で表示するように設定できます。ただし、この自動展開機能を使用するのは、たとえば、ユーザーがボタンをタップして新しいチャットを開始するときなど、バブル内に結果が表示されるようなアクションをユーザーが実行した場合に限ることをおすすめします。また、このような場合はさらに、バブル作成時に送信されるバブル開始通知も抑制することをおすすめします。
上記の動作を実現するには、setAutoExpandBubble()
メソッドと setSuppressNotification()
メソッドでフラグをセットします。
Kotlin
val bubbleMetadata = Notification.BubbleMetadata.Builder() .setDesiredHeight(600) .setIntent(bubbleIntent) .setAutoExpandBubble(true) .setSuppressNotification(true) .build()
Java
Notification.BubbleMetadata bubbleData = new Notification.BubbleMetadata.Builder() .setDesiredHeight(600) .setIntent(bubbleIntent) .setAutoExpandBubble(true) .setSuppressNotification(true) .build();
バブル コンテンツのライフサイクル
バブルが展開されると、コンテンツ アクティビティは通常のプロセス ライフサイクルを経て、アプリがフォアグラウンド プロセスに移行します(フォアグラウンドになかった場合)。
バブルを折りたたんだ場合や閉じた場合、アクティビティは破棄されます。その結果、対象アプリが別のフォアグラウンド コンポーネントを実行しているかどうかに応じて、バブルのプロセスはキャッシュされ、その後、強制終了されます。
バブルが表示されるタイミング
ユーザーの作業を中断する回数を減らすため、バブルは特定の状況でのみ表示されます。
アプリが Android 11 以降をターゲットにしている場合、会話要件を満たしていない限り、その通知はバブルとして表示されません。アプリが Android 10 をターゲットとしている場合、通知がバブルとして表示されるのは、以下の条件のうち、少なくとも 1 つが当てはまる場合に限られます。
- MessagingStyle を使用している通知であり、Person が追加されている。
- Service.startForeground の呼び出しによって作成された通知であり、カテゴリが CATEGORY_CALL で、Person が追加されている。
- 通知の送信時にアプリがフォアグラウンドで実行されている。
これらの条件が満たされない場合は、バブルの代わりに通知が表示されます。
おすすめの方法
- バブルは、実際の画面領域を占有し、他のアプリのコンテンツの上を覆います。通知をバブルとして送信するのは、進行中の通信など、重要度が高い場合や、ユーザーが明示的にバブル表示をリクエストしているコンテンツの場合だけに限るようにしてください。
- ユーザーはバブルを無効にできます。その場合、バブル通知は通常の通知として表示されます。そのため、バブル通知を利用する際は、通常の通知としても機能するように設計する必要があります。
- バブルから起動されるプロセス(アクティビティやダイアログ)は、バブルコンテナ内に表示されます。そのため、バブルはタスクスタックを持つことができます。バブル内に多数の機能やナビゲーションを組み込むと、処理が複雑になります。バブルの機能はできる限り特化して、軽量にすることをおすすめします。
- バブル アクティビティで onBackPressed をオーバーライドする場合は、必ず super.onBackPressed を呼び出してください。そうしないと、バブルが正しく動作しない可能性があります。
- 折りたたまれたバブルが更新されたメッセージを受け取ると、未読メッセージを示すバッジアイコンがバブルに表示されます。関連するアプリでユーザーがメッセージを開いた場合は、次のようにします。
BubbleMetadata
を更新して、通知を抑制します。BubbleMetadata.Builder.setSupressNotification()
を呼び出します。これでバッジアイコンが削除され、ユーザーがメッセージに対応したことを示します。BubbleMetadata
を true に設定して、Notification.Builder.setOnlyAlertOnce()
の更新に付随する音やバイブレーションを抑制します。
サンプルアプリ
People サンプルアプリは、バブルを使用するシンプルな会話型アプリです。デモ用に、このアプリではチャットボットを使用します。実際のアプリでは、バブルはボットではなく、人間によるメッセージにのみ使用してください。