メディアアプリを設計する

Android ユーザーは、オーディオブック、音楽、ポッドキャスト、ラジオなどのさまざまなメディアタイプを利用しています。ユーザーがスマートウォッチでメディアに簡単にアクセスできるアプリを設計することが重要です。スマートウォッチは、スマートフォンやタブレットと比べて操作時間がかなり短いため、操作のしやすさや速さの優先度が高い独特なサーフェスです。

詳しくは、GitHub のメディア ツールキットについての説明をご覧ください。

メディアアプリのアーキテクチャ

特定の制約や要件に沿ってメディアアプリを作成します。一般に、メディアアプリには、ブラウジング ページとエンティティ ページがあります。ブラウジング ページで、ユーザーは再生するメディアを探すことができます。エンティティ ページでは、メディア アイテムに含まれる情報をユーザーに提供します。また、このページに、手動ダウンロード、再生、シャッフルなどの追加アクションを含めることもできます。

メディアアプリには、メディア コントロール用の画面も必要です。メディア コントロールの作成には 5 ボタン レイアウトを使用します。これで、最小タップ ターゲット数を満たすことができます。 以下に、音楽アプリとポッドキャスト アプリのメディア コントロールの例を示します。

コンテンツの種類に応じて、表示するメディア コントロールを変更します。アクションの数が 5 つを超える場合は、追加ページにユーザーを誘導するオーバーフロー アイコン(3 つの点)を使用します。アプリにカスタムのアイコンやフォントを使用することもできます。

エンティティ ページを作成する場合は、重要なコンテキストとアクション(オフライン再生のためのメディアのダウンロード機能、再生速度など)を用意していることをご確認ください。

音楽アプリのエンティティ ページの例。 ポッドキャスト アプリのエンティティ ページの例。

ほとんどの Wear OS デバイスには、回転サイドボタン(RSB)またはベゼルが搭載されています。一部の Wear デバイスには、音量を調整するための追加ハードウェア ボタンも搭載されていることがあります。音量の調整には、RSB、ベゼル、または追加ボタンを使用します。次の例に示すように、RSB またはベゼルが回されたときのみインジケーターを表示します。

アプリ階層を削減して、ユーザーにメディアを公開します。フラットな情報アーキテクチャを使って、ユーザーがすばやくリストにアクセスしてサムネイルが表示されるようにします。Wear OS ではカスタムのデザイン コンポーネントの使用をご検討ください。詳しくは、カードおよびチップについてのデザイン推奨事項をご覧ください。

一般的なユースケース

メディアアプリを設計する場合は、以下の重要なユースケースを必ず優先してください。

ユーザーが以下の操作を行えるようにする:

  • ダウンロードしたメディアを聞く
  • スマートウォッチから音楽をストリーミングする

ダウンロードしたメディアを聞く

ユーザーがエンティティ ページからメディア アイテムを手動でダウンロードできるようにする必要があります。

以下の例に示すように、コンテンツのダウンロード先、ダウンロードの進捗状況、ダウンロードの所要時間、ダウンロードのサイズをユーザーに伝えます。

ユーザーがメディアをブラウジングした際は、最後にダウンロードしたメディアを表示します。

コンテンツがダウンロード済みの場合は、スマートウォッチからダウンロードを削除するアクションを表示することでダウンロード済みの状況を明確にします。この場合は、次の画像に示すように、そのダウンロードがスマートフォンで占有しているサイズも示す必要があります。

ソースデバイスがスマートウォッチの場合は、音楽を聞き始める前にヘッドセットの接続を求めるメッセージを表示します。ヘッドセットが接続されたら、メディアを再生し、メディア コントロールを開きます。

スマートウォッチから音楽をストリーミングする

スマートウォッチからストリーミングを行うと、スマートウォッチのバッテリーが消耗することがあります。最近使用したダウンロードをブラウジング リストに表示することにより、ユーザーがスマートウォッチで聞く際にダウンロード済みのコンテンツを優先させます。次の画像に示すように、ダウンロードの全一覧にユーザーを誘導するボタンを追加することをご検討ください。