ウェアラブル アプリの作成と実行

ウェアラブル アプリはウェアラブル端末で直接実行され、センサー、アクティビティ、サービスなどの低レベル ハードウェアへのアクセス権をウェアラブルに付与します。

ウェアラブル アプリを Google Play ストアに公開したい場合、これを含むコンパニオン ハンドヘルド アプリも必要です。ウェアラブルは Google Play ストアに対応していないため、ユーザーはウェアラブル アプリをウェアラブルに自動的にプッシュするコンパニオン ハンドヘルド アプリをダウンロードします。 ハンドヘルド アプリは、負荷のかかる処理、ネットワーク アクション、その他の作業の実行や、結果をウェアラブルに送信するのにも役立ちます。

このレッスンでは、端末またはエミュレータを設定し、ウェアラブル アプリとハンドヘルド アプリの両方を含む 1 つのプロジェクトを作成する方法について説明します。

SDK のアップデート

ウェアラブル アプリを作成する前に、 以下の準備が必要です。

  • SDK Tools をバージョン 23.0.0 以降にアップデートする
    SDK Tools をアップデートすると、ウェアラブル アプリの作成とテストができるようになります。
  • SDK を Android 4.4W.2(API レベル 20)以降を使用してアップデートする
    アップデート後のプラットフォームのバージョンでは、ウェアラブル アプリ向けの新しい API が提供されています。

これらのコンポーネントと一緒に SDK をアップデートするには、最新の SDK Tools を入手するをご覧ください。

注: Wear アプリを中国で使用できるようにしたい場合、Google Play サービス クライアント ライブラリの特別リリース バージョン 7.8.87 を使用して、ハンドセットとウェアラブル間の通信を処理する必要があります。 Wear アプリを中国向けに設定する方法については、中国向けに Android Wear アプリを作成するをご覧ください。

Android Wear エミュレータまたは端末の設定

ユーザー エクスペリエンスをより適切に評価できるようにするため、実際のハードウェアで開発することをお勧めします。 ただし、エミュレータ上でも、さまざまな種類の画面形状でテストすることはできます。

Android Wear 仮想端末の設定

次のように Android Wear 仮想端末を設定します。

  1. [Tools] > [Android] > [AVD Manager] をクリックします。
  2. [Create Virtual Device...] をクリックします。
    1. カテゴリリストで [Wear] をクリックします。
    2. [Android Wear Square] または [Android Wear Round] を選択します。
    3. [Next] をクリックします。
    4. リリース名(KitKat Wear など)を選択します。
    5. [Next] をクリックします。
    6. (省略可能)仮想端末のプリファレンスを変更します。
    7. [Finish] をクリックします。
  3. エミュレータを起動します。
    1. 作成した仮想端末を選択します。
    2. [Play] ボタンをクリックします。
    3. エミュレータが初期化され、Android Wear のホーム画面が表示されるまで待機します。
  4. ハンドヘルドとエミュレータをペア設定します。
    1. Google Play 経由でハンドヘルドに Android Wear アプリをインストールします。
    2. USB でマシンとハンドヘルドを接続します。
    3. 接続したハンドヘルド端末に AVD の通信ポートを転送します(この手順はハンドヘルドが接続されるたびに実行してください)。
      adb -d forward tcp:5601 tcp:5601
    4. ハンドヘルド端末で Android Wear アプリを起動し、エミュレータに接続します。
    5. Android Wear アプリの右上隅にあるメニューをタップして [Demo Cards] を選択します。
    6. 選択したカードは、エミュレータのホーム画面に通知として表示されます。

Android Wear 端末の設定

次のように Android Wear 端末を設定します。

  1. Google Play で入手できる Android Wear アプリをハンドヘルドにインストールします。
  2. アプリの指示に従い、ハンドヘルドとウェアラブルをペア設定します。 この設定で、同期されたハンドヘルド通知を作成している場合、テストできるようになります。
  3. Android Wear アプリをスマートフォンで起動した状態にしておきます。
  4. Android Wear 端末で adb デバッグを有効にします。
    1. [Settings] > [About] に移動します。
    2. [Build number] を 7 回タップします。
    3. 右にスワイプして [Settings] メニューに戻ります。
    4. 画面の下部にある [Developer options] に移動します。
    5. [ADB Debugging] をタップして adb を有効にします。
  5. USB でマシンとウェアラブルを接続し、開発したアプリを直接ウェアラブルにインストールできるようにします。 ウェアラブルと Android Wear アプリの両方に、デバッグを許可するためのメッセージが表示されます。
  6. 注: USB を経由してマシンとウェアラブルを接続できない場合は、Bluetooth を経由した接続を試してください。

  7. Android Wear アプリで、[Always allow from this computer] を選択して [OK] をタップします。

Android Studio の Android ツール ウィンドウにウェアラブルからのシステムログが表示されます。 adb devices コマンドを実行すると、ウェアラブルも表示されます。

プロジェクトの作成

開発を始める前に、ウェアラブルとハンドヘルドのアプリ モジュールを含むアプリのプロジェクトを作成します。 Android Studio で [File] > [New Project] をクリックして、Creating a Project で説明しているようにプロジェクト ウィザードの指示に従います。 このウィザードを進めながら次の情報を入力します。

  1. [Configure your Project] ウィンドウにアプリの名前とパッケージの名前を入力します。
  2. [Form Factors] ウィンドウで
    • [Phone and Tablet] を選択し、[Minimum SDK] で [API 9: Android 2.3 (Gingerbread)] を選択します。
    • [Wear] を選択し、[Minimum SDK] で [API 20: Android 4.4 (KitKat Wear)] を選択します。
  3. 最初の [Add an Activity] ウィンドウにモバイル端末用のブランク アクティビティを追加します。
  4. 2 番目の [Add an Activity] ウィンドウに Wear 用のブランク アクティビティを追加します。

ウィザードを完了すると、Android Studio にはモバイル端末Wear の 2 つのモジュールをもつプロジェクトが作成されます。 これでハンドヘルド アプリとウェアラブル アプリの両方に対応するプロジェクトが用意され、アクティビティ、サービス、カスタム レイアウトを作成できます。 ハンドヘルド アプリは、ネットワーク通信、集中的な処理、多くのユーザー操作を必要とするタスクなど、負荷のかかる作業の大半を処理します。 アプリがこれらの操作を完了すると、通知によって、またはデータをウェアラブルと同期して送信することで、結果をウェアラブルに通知します。

注: Wear モジュールには WatchViewStub を使用する「Hello World」アクティビティも含まれます。 このクラスでは、端末の画面が円形か四角形かに基づき、レイアウトをインフレートします。WatchViewStub クラスはウェアラブル端末サポート ライブラリが提供する UI ウィジェットの 1 つです。

ウェアラブル アプリのインストール

開発したアプリは、ハンドヘルド アプリを使用した場合と同じように、ウェアラブルに直接インストールします。Android Studio の adb install または [Play] ボタンを使用します。

アプリをユーザーに公開する準備が完了したら、ハンドヘルド アプリの内部にウェアラブル アプリを組み込みます。 Google Play 経由でハンドヘルド アプリをインストールすると、接続されたウェアラブルは自動的にウェアラブル アプリを受信します。

注: デバッグキーでアプリに署名していると、ウェアラブル アプリの自動インストールは機能しません。リリースキーで署名している場合のみ機能します。 ウェアラブル アプリを正しくパッケージ化する方法については、ウェアラブル アプリのパッケージ化をご覧ください。

  • 「Hello World」アプリをウェアラブルにインストールするには、[Run/Debug configuration] プルダウン メニューから [wear] を選択し、[Play] ボタンをクリックします。 アクティビティがウェアラブルに表示され、「Hello world!」と表示されます。
  • 適切なライブラリのインクルード

    プロジェクト ウィザードの中で、該当するモジュールの build.gradle ファイルに正しい依存関係がインポートされされます。ただし、これらの依存関係は必須ではないため、これらが本当に必要かどうか、以下の説明を基に判断してください。

    通知

    Android v4 サポート ライブラリ(または v4 を含む v13)には、ウェアラブルをサポートするため、ハンドヘルドに既存の通知を拡張する API が含まれています。

    ウェアラブルのみに表示される(ウェアラブルで実行されるアプリで発行される)通知の場合、ウェアラブルで標準フレームワーク API(API レベル 20)を使用し、プロジェクトのモバイル モジュールで、サポート ライブラリの依存関係を削除します。

    Wearable Data Layer

    Wearable Data Layer API を使用して、ウェアラブルとハンドヘルド間でデータを同期して送信するには、最新バージョンの Google Play サービスが必要です。これらの API を使用しない場合、両方のモジュールから依存関係を削除してください。

    ウェアラブル UI サポート ライブラリ

    これはウェアラブル向けにデザインされた UI ウィジェットを含む非公式ライブラリです。 このライブラリにはベスト プラクティスの例が含まれているため、アプリで使用することをお勧めします。ただしライブラリはいつでも変更される可能性があります。 ライブラリがアップデートされても、アプリにコンパイル済みであればアプリで問題が起こることはありません。 アップデート後のライブラリから新機能を取得するには、新しいバージョンを静的にリンクし、状況に応じてアプリをアップデートする必要があります。 このライブラリはウェアラブル アプリを作成する場合にのみ適用できます。

    次のレッスンでは、プラットフォームでサポートされるさまざまな音声操作の使用方法に加え、ウェアラブル向けのレイアウトの作成方法について学習します。