Gameloft は、ユーザーがいつでもどこでもゲームを楽しめるようにするため、最新の携帯型ハードウェア向けにいち早く自社のゲームを公開することを目指しています。そのような理由から、同社はモバイル向けレーシング ゲームシリーズの最新作「アスファルト8:Airborne」には Chrome OS が最適であると考えました。
Gameloft は複数のデバイス向けのゲーム開発に慣れていましたが、アスファルトの操作性を Chromebook に移植するのは難しいと思われました。Chromebook は、タッチスクリーン操作とキーボード操作が共存し、両者をいつでも切り替えられる独自のインターフェースを備えているからです。ところが、いざ移植してみると、その作業は容易であるうえにメリットも大きいことがわかりました。
Gameloft の取り組み
Gameloft は、Chromebook が備えるシームレスなインターフェースと全体的なパフォーマンスの高さを活かすことで、Chromebook でのゲーム体験を改善できる点をいくつか発見しました。そして、Android Application Package をネイティブ アプリよりも高いパフォーマンス レベルで実行し、このシリーズならではの息を呑むようなグラフィックスと圧倒的なスピード感を Chrome OS 版で再現することに成功しました。また、キーボード操作機能を追加して、ユーザーが Chromebook でプレイしていることをゲームが検出すると、この機能が有効化されるようにしました。


タッチスクリーン操作とキーボード操作を切り替えると、ゲームの UI が自動的に切り替わります。
Chromebook では、搭載する物理キーボードが Android スマートフォンの外部キーボードと同じように認識されるため、Asphalt 8: Airborne でも、Android SDK Platform の API を使用して Chromebook のキーボードをサポートすることができます。このため、わずか数日間の作業で新たな操作体系を完全にゲームに組み込むことができ、キーボード操作でも快適なユーザー エクスペリエンスが得られるようになりました。また Chrome OS は安定性に優れているため、実装は円滑に進み、開発作業中に大きな問題が生じることもありませんでした。
Gameloft は、Google との提携を通じて、機種を問わず Chromebook を購入したユーザーにアプリ内アイテムを無償提供しています。デバイスの初期セットアップ時にクーポン コードを入力することで、ゲームを起動したときに限定の車両、ターボブースト、クレジットなどのアイテムを受け取ることができます。
結果
Chromebook でも快適にゲームをプレイできるようにした結果、「アスファルト8:Airborne」の 1 日あたりのアプリユーザー数は 6 倍に増加し、Chrome OS アプリの収益は約 9 倍増加しました。
収益の増加とリリースまでの期間の短縮の両方が達成されたことを受けて、Gameloft はシリーズ次回作の「アスファルト9: Legends」でも Chromebook 版をリリースすることを決定しました。今では、すべてのプロジェクトで Chrome OS をサポートすることが同社の基本方針となっています。
スタートガイド
Chrome OS 向けにアプリを最適化する方法をご確認ください。