
自然なブラシ処理や本物のような描画が可能な、比類ないツールセットを備えた Infinite Painter は、モバイルで利用できる最も高度なペインティング アプリの 1 つです。Infinite Painter のデベロッパー チームは、「モバイルの限界を超える」というスローガンの下、より多くのユーザーにリーチし、既存のモバイル ユーザーと急速に拡大している Chromebook のユーザーベース間のギャップを埋める機会を見出していました。
従来のデスクトップ パソコンやインタラクティブなタブレットからモバイル デバイスへと移行するユーザーが増えているにもかかわらず、Infinite Studio では、大画面で臨場感にあふれるデスクトップ パソコンの画面で Infinite Painter を利用できるようにしてほしいというリクエストが増え始めていました。開発チームは、Infinite Painter を Chrome OS 向けに最適化することでデスクトップ スタイルの環境でも使用できるようにすることができると考えました。Android アプリは Chrome OS 上で実行でき、ユーザーは Google Play で簡単に Android アプリにアクセスできるため、チームはそれほど手間をかけずにアプリをアップデートすることができました。
Infinite Studio の取り組み
開発チームはまず、Infinite Painter をデスクトップ パソコンで実行できるようにしつつ、ユーザー エクスペリエンスの向上に必要なものを理解しようとしました。チームは、Chromebook の新機能を活用し、3 つの重要な修正(キーボード ショートカットの追加、新しい入力デバイス向けの最適化、サイズ変更可能なウィンドウの実現)を行うことで、ワイドスクリーンの臨場感あふれるエクスペリエンスを提供することを目指しました。
キーボード ショートカット
Infinite Studio が最初に気付いたことは、デザイナーやイラストレーターがワークフローのスピードアップのためにキーボード ショートカットを多用するということです。そこで、30 個の業界標準のショートカットを追加して、簡単にアクセス可能なプルダウン メニュー(Ctrl キーを長押しすると表示される)内にそれらをまとめました。
入力デバイス
次に、Infinite Studio は、外付けマウス、指(一部の Chromebooks にはタッチ スクリーンが搭載されています)、タッチペン、タッチパッドなどの各種の入力デバイス向けにアプリを最適化しました。チームはタッチパッド用に、2 本指の操作でキャンバスのズームとパンを簡単に行えるようにする機能を追加しました。また、外付けマウス用に、スクロール ホイール ズーム機能と、ユーザーがインターフェース要素にカーソルを合わせたときに表示されるツールチップを追加しました。
タッチペンや指での入力はすでにモバイル ユーザー向けにサポートされていますが、デベロッパーは Chrome OS チームと緊密に連携し、低遅延の API を使用することで、さらにスムーズな操作を実現しました。これにより、アプリで画面オーバーレイにストロークを直接描画できるようになったため、ユーザーはタッチペンや指で画面に直接描画しているように感じることができます。
サイズ変更可能なウィンドウ
最後に、チームはウィンドウ サイズの変化に対応できるようにアプリを最適化しました。ユーザーは、全画面モードで作業する場合でも、別のアプリを開いて並べて使用する場合でも、フォーム ファクタに応じた最適なエクスペリエンスが得られるようにアプリのウィンドウ サイズを変更することができます。また、ユーザーが外部画像をアプリにドラッグ&ドロップするための機能も追加しました。
結果
Chrome OS の大画面向けに最適化した後、Infinite Painter のアクティブ インストールが 55% 増加し、アプリの全体的なアクティビティが 2 倍近くになりました。Infinite Painter の作者である Sean Brakefield 氏はチームの決定に大変満足しており、次のように結論づけています。「タップ中心の操作に対するユーザーニーズが高まり、タッチペン ベースの Chromebooks の販売が拡大する中で、Chrome OS 向けに最適化することは当然のことだと認識していました。Google が Chromebooks での Android アプリのサポートを追加したとき、移行はほぼすべて、すでに完了していたのです」
スタートガイド
Chrome OS 向けにアプリを最適化する方法をご覧ください。