最適なユーザー エクスペリエンスを実現するには、アプリをできるだけ小さく、高速になるように最適化する必要があります。R8 と呼ばれるアプリ オプティマイザーは、未使用のコードとリソースを削除したり、コードを書き直してランタイム パフォーマンスを最適化したりすることで、アプリを効率化します。ユーザーへの影響は次のとおりです。
- 起動時間を短縮
- レンダリングとランタイム パフォーマンスの向上
- ANR の減少
アプリの最適化を有効にするには、次のコードに示すように、リリースビルドのアプリレベルのビルド スクリプトで isMinifyEnabled = true
(コードの最適化用)と isShrinkResources = true
(リソースの最適化用)を設定します。両方の設定を常に有効にすることをおすすめします。また、最適化によってプロジェクトのビルド時間が長くなり、コードの変更方法によってはデバッグが難しくなる可能性があるため、アプリの最適化は、公開前にテストするアプリの最終バージョン(通常はリリースビルド)でのみ有効にすることをおすすめします。
Kotlin
android { buildTypes { release { // Enables code-related app optimization. isMinifyEnabled = true // Enables resource shrinking. isShrinkResources = true proguardFiles( // Default file with automatically generated optimization rules. getDefaultProguardFile("proguard-android-optimize.txt"), ... ) ... } } ... }
Groovy
android { buildTypes { release { // Enables code-related app optimization. minifyEnabled true // Enables resource shrinking. shrinkResources true // Default file with automatically generated optimization rules. proguardFiles getDefaultProguardFile('proguard-android-optimize.txt') ... } } }
また、プロジェクトの gradle.properties
ファイルに次の行が存在する場合は削除して、R8 が最適化機能を最大限に活用していることを確認します。
android.enableR8.fullMode=false # Remove this line from your codebase.
アプリの最適化を有効にすると、スタック トレースが理解しにくくなります。特に、R8 でクラス名やメソッド名が変更された場合は、その傾向が顕著になります。ソースコードに正しく対応するスタック トレースを取得するには、元のスタック トレースを復元するをご覧ください。
R8 が有効になっている場合は、起動パフォーマンスをさらに向上させるために、起動プロファイルを作成することもおすすめします。
アプリの最適化を有効にしてエラーが発生した場合は、次の方法でエラーを修正できます。
- keep ルールを追加して、一部のコードをそのままにします。
- 最適化を段階的に採用する。
- 最適化に適したライブラリを使用するようにコードを更新します。