ようこそ。Android 10 には、新しいエクスペリエンスを構築するための新しい API が多数導入されています。また、Android 10 デバイスでアプリを実行するときに影響を及ぼす可能性があるシステム動作の更新も行われています。
まず、システム動作の変更、プライバシーの変更、新しい機能と API を確認し、次の 2 つのフェーズでアプリを移行することをおすすめします。
- 基本的な互換性を確認する。Android 10 を搭載したデバイスを更新または購入するユーザーが、すでに公開しているアプリをできるだけ早く利用できるようにしてください。アプリをテストして完全に機能することを確認してから、互換性のあるバージョンのアプリをユーザーに公開します。
- Android 10 の機能と API を使用してビルドする。次に Android 10 の新機能と
API を紹介します開発環境をセットアップし、アプリの
targetSdkVersionを変更して、アプリに関連する新しい API でビルドします。
以下のセクションでは、これらの各フェーズで必要な作業について説明します。デバッグを開始する前に、アプリを実行してテストするためのハードウェア デバイスまたはエミュレータを準備します。
フェーズ 1: 基本的な互換性
このフェーズの目標は、Android 10 上でアプリを実行する際に機能低下やその他の影響を特定し、対処して、更新版をユーザーに公開することです。多くの場合、アプリの targetSdkVersion を変更したり、新しい API を使用したりする必要はありませんが、必要に応じて compileSdkVersion を変更して互換性をサポートできます。
プラットフォームの変更によってアプリの動作に影響する可能性があるため、すべてのフローで既存のアプリの機能をテストすることが重要です。互換性のあるバージョンのアプリを公開する際は、アップデート メモで Android 10 のサポートについてユーザーに通知することをおすすめします。
ユーザーが Android 10 にスムーズに移行できるように、互換性のあるバージョンのアプリをできるだけ早く（理想的にはデバイスが Android 10 アップデートを受信し始める前に）公開することをおすすめします。
テストを実行する
互換性テストでは、アプリのリリース準備時と同じタイプのテストを実施する必要があります。ここで、アプリの中核品質ガイドラインとテストに関するベスト プラクティスを確認することをおすすめします。
アプリに影響する可能性がある既知の動作変更について十分に理解してください。これらの動作変更は、targetSdkVersion を変更していなくてもアプリに適用されます。事前に変更を確認しておくと、影響を受ける可能性のある領域を特定し、問題を迅速にデバッグできます。
Android 10 ではプライバシーに関する大幅な変更が行われています。プライバシーに関する主な変更点を確認し、アプリに対して起こり得る影響を把握してください。
フェーズ 2: Android 10 でビルドする
準備が整ったら、Android 10 の新機能と API を試し、新しいエクスペリエンスでアプリを強化できます。新しい API を使って開発を開始するには、Android Studio で Android 10（API 29）SDK をセットアップし、targetSdkVersion と compileSdkVersion の両方を 29 に変更する必要があります。
targetSdkVersion を変更する際は、Android 10（API 29）以降をターゲットとしているアプリに適用されるシステム動作の変更も考慮する必要があります。
一部の動作変更により回帰やクラッシュが発生する可能性があるため、targetSdkVersion を変更するアプリのアップデートを公開する前に、変更を確認して徹底的にテストしてください。
SDK を入手する
Android 10 でアプリをビルドする SDK パッケージを入手するには、まず Android Studio の最新バージョンを使用していることを確認します。詳細については、SDK を設定するをご覧ください。
テストを実行する
前述の準備が完了したら、アプリをビルドし、テストを行い、Android 10 をターゲットとする場合に正常に機能することを確認します。この機会に、アプリの中核品質ガイドラインとテストに関するベスト プラクティスも確認することをおすすめします。
targetSdkVersion を 29 に設定してアプリをビルドする場合、特定のプラットフォームの変更点に注意する必要があります。Android 10 の動作変更ページに記載されているこれらの変更の一部は、新しい API をまだ使用していない場合でも、アプリの動作に重大な影響を与えたり、クラッシュを引き起こす可能性があります。