Android Studio とコマンドライン ツールの環境変数を設定して、SDK のインストール場所や、ユーザー固有のデータの保存場所などを指定できます。このページでは、最も一般的に使用される環境変数について説明します。
次の例は、SDK をデフォルトの場所である $USER_HOME
や $HOME
ではなく、E:\Android\sdk\
にインストールしている場合、環境変数を使ってエミュレータを起動する方法を示します。
$ set ANDROID_SDK_ROOT=E:\Android\sdk\ $ emulator -avd Pixel_API_25
変数リファレンス
次の表に、Android SDK ツールで一般に使用される環境変数を示します。
表 1. 環境変数
Android SDK の環境変数 | |
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ANDROID_SDK_ROOT |
SDK のインストール ディレクトリへのパスを設定します。一度設定すると、値は通常変更されず、同じマシン上の複数のユーザーが共有できます。ANDROID_HOME は同様に SDK のインストール ディレクトリを指しますが、この変数のサポートは終了しています。引き続き使用する場合、以下のルールが適用されます。
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REPO_OS_OVERRIDE
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sdkmanager を使って現在のマシンとは異なるオペレーティング システム用のパッケージをダウンロードする場合は、この変数を windows 、macosx 、または linux に設定します。 |
Android Studio 設定の環境変数 | |
Android Studio 設定変数には、設定ファイルと JDK の場所をカスタマイズする設定があります。Android Studio は起動時にこれらの変数の設定を確認します。詳しくは、Android Studio の設定についての記事をご覧ください。 | |
STUDIO_VM_OPTIONS
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studio.vmoptions ファイルの場所を設定します。
このファイルには、Java HotSpot 仮想マシン(VM)のパフォーマンス特性に影響を与える設定が含まれます。このファイルには、Android Studio 内からもアクセスできます。VM オプションのカスタマイズをご覧ください。 |
STUDIO_PROPERTIES
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idea.properties ファイルの場所を設定します。このファイルを使用すると、ユーザーがインストールしたプラグインへのパスや、IDE でサポートされている最大ファイルサイズなど、Android Studio IDE のプロパティをカスタマイズできます。IDE プロパティのカスタマイズについての説明をご覧ください。 |
STUDIO_JDK
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Android Studio の実行に使用する JDK の場所を設定します。IDE を起動すると、STUDIO_JDK 、JDK_HOME 、JAVA_HOME の順に各環境変数が確認されます。 |
STUDIO_GRADLE_JDK
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Android Studio が Gradle デーモンを開始するために使用する JDK の場所を設定します。IDE を起動すると、最初に STUDIO_GRADLE_JDK が確認されます。STUDIO_GRADLE_JDK が定義されていない場合、IDE は、[Project Strucutre] ダイアログで設定した値を使用します。 |
エミュレータの環境変数 | |
デフォルトでは、エミュレータは設定ファイルを $HOME/.android/ に、AVD データを $HOME/.android/avd/ に保存します。以下の環境変数を設定することで、デフォルトをオーバーライドできます。emulator -avd <avd_name> コマンドは avd ディレクトリの中で、$ANDROID_AVD_HOME 、$ANDROID_SDK_HOME/.android/avd/ 、$HOME/.android/avd/ の順に各値を検索します。
エミュレータの環境変数のヘルプを確認するには、コマンドラインで「 |
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ANDROID_EMULATOR_HOME
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ユーザー固有のエミュレータ設定ディレクトリへのパスを設定します。デフォルトの場所は $ANDROID_SDK_HOME/.android/ です。
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ANDROID_AVD_HOME
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AVD 固有のすべてのファイルが格納されているディレクトリへのパスを設定します。これらのファイルの大部分は、非常に大きなディスク イメージで構成されます。デフォルトの場所は $ANDROID_EMULATOR_HOME/avd/ です。デフォルトの場所でディスク空き容量が少ない場合は、新しい場所を指定することをおすすめします。 |
Android エミュレータは起動時に、以下の環境変数を照会します。 | |
ANDROID_LOG_TAGS
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ANDROID_LOG_TAGS をご覧ください。 |
HTTP_PROXY
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グローバル http プロキシの HTTP / HTTPS プロキシ(ホスト名とポート)の設定を含めます。ホストとポートの間にはコロン(:)区切り文字を使用します。例: set HTTP_PROXY=myserver:1981 |
ANDROID_VERBOSE
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ANDROID_VERBOSE をご覧ください。 |
ANDROID_SDK_ROOT
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ANDROID_SDK_ROOT をご覧ください。 |
ANDROID_EMULATOR_USE_SYSTEM_LIBS
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値 0(デフォルト)または 1 を設定します。値 1 は、エミュレータにバンドルされているライブラリではなく、システムの libstdc++.so ファイルを使用することを示します。この環境変数は、システム ライブラリの問題が原因で Linux システム上でエミュレータが起動しない場合にのみ設定します。たとえば、一部の Linux Radeon GL ドライバ ライブラリでは最新の libstdc++.so ファイルが必要です。
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クイック エミュレータ(QEMU)の音声 | |
QEMU_AUDIO_DRV
QEMU_AUDIO_OUT_DRV
QEMU_AUDIO_IN_DRV
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Linux では、QEMU_AUDIO_DRV 環境変数を以下のいずれかの値に設定することで、エミュレータのデフォルトの音声バックエンドを変更できます。
set QEMU_AUDIO_DRV=alsa 音声入力と音声出力に別個のバックエンドを使用することもできます。それには、 set QEMU_AUDIO_OUT=esd set QEMU_AUDIO_IN=oss
音声サポートを無効にする場合は、
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adb 環境変数 | |
ANDROID_SERIAL
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この変数は、エミュレータのシリアル番号(例: emulator-555)を adb コマンドに指定します。この変数を設定した場合でも、コマンドラインから -s オプションでシリアル番号を指定すると、ANDROID_SERIAL の値よりもコマンドラインからの入力が優先されます。次の例では、 set ANDROID_SERIAL=emulator-555 adb install helloWorld.apk |
adb logcat 環境変数 | |
ANDROID_LOG_TAGS
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この環境変数は、開発用コンピュータで logcat を実行する場合のデフォルトのフィルタ式を設定します。次に例を示します。
set
詳細と例については、ログ出力をフィルタリングする場合の説明をご覧ください。 |
ADB_TRACE
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ログに記録するデバッグ情報のカンマ区切りのリストを含めます。
値として、all 、adb 、sockets 、packets 、rwx 、usb 、sync 、sysdeps 、transport 、jdwp を指定できます。adb クライアントと adb サーバーの adb ログを表示するには、次のように、 set ADB_TRACE=all adb logcat |
ANDROID_VERBOSE
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エミュレータが使用する詳細出力オプション(デバッグタグ)のカンマ区切りのリストを含めます。次の例は、debug-socket と debug-radio のデバッグタグが定義された ANDROID_VERBOSE を示しています。set ANDROID_VERBOSE=socket,radio
サポートされていないデバッグタグは無視されます。デバッグタグについて詳細を表示するには、 |
環境変数を設定する方法
以下の例に、ターミナル ウィンドウと、さまざまなオペレーティング システムのシェル スクリプトで、環境変数を設定する方法を示します。ターミナル ウィンドウでの変数の設定は、そのウィンドウが開いている限り有効です。シェル スクリプトでの変数の設定は、複数のログイン セッションにまたがって継続します。
Windows: ターミナル ウィンドウで次のように入力します。
set HTTP_PROXY=myserver:1981
または、Windows の UI を使ってシェル スクリプトに設定を追加します。その方法については、Windows のお使いのバージョンのドキュメントをご確認ください。
Mac、Linux: ターミナル ウィンドウで次のように入力します。
export HTTP_PROXY=myserver:1981
または、~/.bash_profile
ファイルに設定を追加して、ファイルのソースを次のように指定します。
export HTTP_PROXY=myserver:1981
$ source ~/.bash_profile