移行ガイド

Google のポートフォリオには、ヘルスコネクトを含め、健康に関するプロダクトおよびサービスが多数含まれています。Google Fit Android API は非推奨になっており、サポートは 2024 年の年末で終了する予定です。以下のガイドラインでは、各種の Google Fit Android API からの移行先となる API とプラットフォームを示しています。

Sensor API

Sensor API を使用すると、アプリ内の未加工のセンサーデータをリアルタイムで読み取ることができます。Sensor API は以下を行います。

  • デバイスとコンパニオン デバイス上の利用可能なデータソースを一覧表示する。
  • 未加工のセンサーデータを受信するリスナーを登録する。
  • リスナーの登録を解除して、未加工のセンサーデータの受信を停止する。

Sensor API の移行先となる API またはプラットフォーム:

スマートフォン Wear

SensorManager、FusedLocationProvider を使用します。

ヘルスサービスを使用します。

  • PassiveMonitoringClient
  • MeasureClient
  • ExerciseClient

    または、SensorManager、FusedLocationProvider を使用します。

Session API

セッションは、ユーザーがフィットネス活動を行う時間を表します。

Session API を使用すると、アプリはフィットネス ストアでセッションを作成できます。

Session API の移行先となる API またはプラットフォーム:

スマートフォン Wear

開始 / 停止: 該当なし。アプリは、進行中のセッションの状態を内部的にトラッキングする必要があります。

読み取り / 書き込み: ヘルスコネクトを使用します。

開始 / 停止: ヘルスサービス(ExerciseClient)を使用します。

読み取り / 書き込み: モバイルアプリを介してヘルスコネクトを使用します。

特定のワークフローについては、以下をおすすめします。

  • セッションの挿入: デベロッパーはヘルスコネクトを使用し、そのデータに応じて ActivitySession レコードまたは SleepSession レコードを挿入するようにします。
  • Recording API

    Recording API を使用すると、アプリはサブスクリプションを作成することにより、バッテリー効率の良い方法でセンサーデータの自動保存をリクエストできます。サブスクリプションは Android アプリに関連付けられ、フィットネスのデータ型または特定のデータソースで構成されます。

    Recording API の移行先となる API またはプラットフォーム:

    スマートフォン Wear

    Recording API からの移行手順は次のとおりです。

    1. SensorManager を使用してデータ キャプチャを実装します。
    2. キャプチャしたデータをヘルスコネクトに書き込みます。
    3. 必要に応じて、フォアグラウンド サービスでステップ a とステップ b を組み合わせます(アプリ自体を操作せずにデータの記録を続行する必要がある場合など)。

    ヘルスサービスを使用します。

    • PassiveMonitoringClient
    • ExerciseClient

      PassiveMonitoringClient と ExerciseClient の違いについては、ヘルスサービスのドキュメントをご覧ください。

    History API

    History API を使用すると、アプリは健康とウェルネスに関する過去のデータの読み取り、挿入、更新、削除などの一括操作をフィットネス ストアで実行できます。

    History API の移行先となる API またはプラットフォーム:

    スマートフォン Wear

    ヘルスコネクトを使用します。

    ウェアラブルではなく、モバイルアプリからヘルスコネクトを使用してください。

    Goals API

    目標(Goal)とは、ユーザーが Google Fit アプリ内で設定できる自分の目標のことで、日々の運動の意欲を高めるのに役立ちます。ユーザーはプロフィール内で、毎日の目標とする歩数とハートポイント(強めの運動)の回数を調整できます。Fit プラットフォームは、Goals API を使用してユーザーの目標を記録し、毎日どれだけ目標を達成できたかをトラッキングします。

    スマートフォン Wear
    利用可能な代替 API はありません。 利用可能な代替 API はありません。

    BLE API

    BLE API を使用すると、アプリは利用可能な Bluetooth Low Energy(BLE)デバイスを検出し、センサーデータを Google Fit プラットフォームに挿入できます。

    BLE API の移行先となる API またはプラットフォーム:

    スマートフォン Wear
    Android Bluetooth API を直接使用します。 Android Bluetooth API を直接使用します。

    Fit Android API から Health Connect API に移行する

    Health Connect API に移行するには、3 つの主なステップを実施する必要があります。

    ステップ 1: 統合

    統合の最初のステップは、アプリにヘルスコネクトを追加することです。これには次の作業が含まれます。

    • こちらで概説されている手順に沿って、ヘルスコネクトを統合します。
    • アプリ マニフェストで、必要なデータ型とアクセスモードを宣言します。
    • ヘルスコネクトにアクセスする権限をユーザーから取得します。
    • 特定のユースケースまたはワークフローに沿って、データの読み取り / 書き込みを行います。

    ステップ 2: 移行

    ユーザーがプラットフォーム間で移行している間、Google Fit Android API 統合と Health Connect API 統合の両方をアクティブなままにしておくことをおすすめします。Fit Android API はすでに非推奨になっていますが、廃止は 2024 年末を予定しています。これは、ユーザーがヘルスコネクトに切り替えてサービスを継続するのに十分な時間を確保するための措置です。

    ステップ 3: クリーンアップ

    Fit SDK を削除する手順は次のとおりです。

    1. Fit Android API に関連するコードを削除します。
    2. 依存関係を削除します。

    Fit Android API をいつ廃止するかは、デベロッパー自身の分析と評価に応じて決定してください。Fit Android API の統合は、2024 年末まで維持できます。