Android には、アプリの構成済み動作を変更するオーバーライドが用意されています。
デバイス メーカーは、一部の大画面デバイス上のアプリにオーバーライドを適用できます。Android 14 QPR1 では、ユーザー オーバーライドが導入され、ユーザーがデバイスの設定からアプリにオーバーライドを適用できるようになりました。
アプリごとのオーバーライドは、大画面デバイスでのユーザー エクスペリエンスを改善することを目的としています。アプリは一部のオーバーライドを無効にできます。
アプリごとのオーバーライドについて詳しくは、デバイス互換性モードをご覧ください。
ユーザーによるオーバーライド
Android 14 QPR1 では、ユーザーがアプリのアスペクト比を変更して、大画面でのアプリの表示を改善できる新しい設定メニューが導入されています。このメニューは、一部の大画面デバイスのデバイス設定に実装されています。
設定メニューを実装したデバイスでは、ユーザーはアプリのリストから選択し、アプリのアスペクト比をさまざまな値(4:3、16:9、全画面など)に設定します(アスペクト比の値はデバイス メーカーが設定します)。ユーザーは、アスペクト比をアプリのデフォルトにリセットすることもできます。デフォルトの値は、デバイス メーカーがアプリごとに指定したオーバーライドです(OVERRIDE_MIN_ASPECT_RATIO
を参照)。オーバーライドが適用されていないか、アプリがオーバーライドを無効にしている場合は、アプリ マニフェストの値になります。
オーバーライドを無効にする
Android 14 QPR1 では次の PackageManager.Property
タグがサポートされています。このタグを使用すると、オーバーライドを実装したデバイスでアスペクト比の設定メニューを無効化または変更できます。
PROPERTY_COMPAT_ALLOW_USER_ASPECT_RATIO_OVERRIDE
ユーザー アスペクト比の互換性のオーバーライドを無効にするには、このプロパティをアプリ マニフェストに追加し、値を
false
に設定します。<application> <property android:name="android.window.PROPERTY_COMPAT_ALLOW_USER_ASPECT_RATIO_OVERRIDE" android:value="false"/> </application>
設定メニューを実装したデバイスでは、アプリはデバイスの設定のアプリのリストから除外されます。ユーザーがアプリのアスペクト比をオーバーライドすることはできません。
このプロパティを
true
に設定しても効果はありません。PROPERTY_COMPAT_ALLOW_USER_ASPECT_RATIO_FULLSCREEN_OVERRIDE
ユーザー アスペクト比の互換性のオーバーライドの全画面オプションを無効にするには、このプロパティをアプリ マニフェストに追加し、値を
false
に設定します。<application> <property android:name="android.window.PROPERTY_COMPAT_ALLOW_USER_ASPECT_RATIO_FULLSCREEN_OVERRIDE" android:value="false"/> </application>
設定メニューが実装されているデバイスでは、デバイス設定のアスペクト比オプションのリストから全画面オプションが削除されます。ユーザーはアプリに全画面オーバーライドを適用できません。
このプロパティを
true
に設定しても効果はありません。
大画面向けにアプリを最適化する: アプリでアスペクト比の制限を設定しないでください。ウィンドウ サイズクラスを使用すると、利用可能な表示スペースの大きさに応じてさまざまなレイアウトをサポートできます。