リンクのクリックやプログラムによるリクエストによってウェブ URI インテントが呼び出されると、Android システムは、リクエストが成功するまで、以下のアクションをこの順序で試行します。
- ユーザーの優先アプリ(URI を処理できるもの)が指定されている場合は、そのアプリを開きます。
- URI を処理できるアプリが 1 つだけしかない場合は、そのアプリを開きます。
- ユーザーがダイアログからアプリを選択できるようにします。
下記の手順に沿って、コンテンツ用のリンクを作成し、テストします。また、Android Studio のアプリリンク アシスタントを使用して、Android アプリリンクを追加することもできます。
注: Android 12(API レベル 31)以降、一般的なウェブ インテントは、そのウェブ インテントに含まれる特定のドメインについてアプリが承認されている場合のみ、アプリのアクティビティに解決されます。アプリがそのドメインに対して承認されていない場合、ウェブ インテントは代わりにユーザーのデフォルトのブラウザアプリに解決されます。
受信リンク用のインテント フィルタを追加する
アプリ コンテンツ用のリンクを作成するには、次の要素と属性値を含むインテント フィルタをマニフェスト内に追加します。
<action>
ACTION_VIEW
インテントのアクションを指定して、Google 検索からインテント フィルタに到達できるようにします。<data>
- 1 つ以上の
<data>
タグを追加します。各タグは、アクティビティに変換される URI 形式を示します。少なくとも、<data>
タグにはandroid:scheme
属性を含める必要があります。属性を追加することで、アクティビティが受け入れる URI タイプを絞り込むことができます。たとえば、ベースとなるパス名だけが異なる類似の URI をそれぞれ受け入れる複数のアクティビティがあるとします。この場合、
android:path
属性またはそのpathPattern
またはpathPrefix
バリアントを使用して、システムがどのアクティビティをさまざまな URI パスで開くかを区別します。 <category>
BROWSABLE
カテゴリを含めます。これは、ウェブブラウザからインテント フィルタにアクセスできるようにするために必要です。これがないと、ブラウザでリンクをクリックしてもアプリに解決されません。また、
DEFAULT
カテゴリも指定します。 これにより、アプリが暗黙的インテントに応答できるようになります。これを指定しないと、インテントでアプリ コンポーネント名が指定されている場合にのみ、アクティビティを起動できます。
次の XML スニペットは、ディープリンクのマニフェストでインテント フィルタを指定する方法を示しています。URI “example://gizmos”
と “http://www.example.com/gizmos”
はどちらもこのアクティビティに解決されます。
<activity android:name="com.example.android.GizmosActivity" android:label="@string/title_gizmos" > <intent-filter android:label="@string/filter_view_http_gizmos"> <action android:name="android.intent.action.VIEW" /> <category android:name="android.intent.category.DEFAULT" /> <category android:name="android.intent.category.BROWSABLE" /> <!-- Accepts URIs that begin with "http://www.example.com/gizmos” --> <data android:scheme="http" android:host="www.example.com" android:pathPrefix="/gizmos" /> <!-- note that the leading "/" is required for pathPrefix--> </intent-filter> <intent-filter android:label="@string/filter_view_example_gizmos"> <action android:name="android.intent.action.VIEW" /> <category android:name="android.intent.category.DEFAULT" /> <category android:name="android.intent.category.BROWSABLE" /> <!-- Accepts URIs that begin with "example://gizmos” --> <data android:scheme="example" android:host="gizmos" /> </intent-filter> </activity>
2 つのインテント フィルタの違いは <data>
要素のみです。同じフィルタに複数の <data>
要素を含めることはできますが、一意の URL(scheme
と host
の特定の組み合わせなど)を宣言する場合は、個別のフィルタを作成することが重要です。同じインテント フィルタ内の複数の <data>
要素は、組み合わされた属性のバリエーションをすべて考慮してマージされるためです。たとえば、次の点を考えます。
<intent-filter> ... <data android:scheme="https" android:host="www.example.com" /> <data android:scheme="app" android:host="open.my.app" /> </intent-filter>
これは、https://www.example.com
と app://open.my.app
だけをサポートしているように見えるかもしれません。実際には、これら 2 つに加えて、app://www.example.com
と https://open.my.app
がサポートされています。
注意: 複数のアクティビティに、検証済みの同じ Android アプリリンクに対応するインテント フィルタが含まれている場合、どのアクティビティがリンクを処理するかは保証されません。
アクティビティ コンテンツの URI を含むインテント フィルタをアプリ マニフェストに追加すると、Android は、一致する URI を持つ Intent
を実行時にアプリにルーティングできます。
インテント フィルタの定義方法については、他のアプリからのアクティビティの開始を許可するをご覧ください。
受信インテントからデータを読み取る
システムがインテント フィルタを通じてアクティビティを起動したら、Intent
から提供されたデータを使用して、レンダリングする必要があるものを判断できます。getData()
メソッドと getAction()
メソッドを呼び出して、受信 Intent
に関連付けられているデータとアクションを取得します。メソッドの呼び出しは、アクティビティのライフサイクル中であれば、いつでも行うことができますが、通常は、onCreate()
や onStart()
など、早い段階のコールバックの間に行うことをおすすめします。
Intent
からデータを取得する方法を以下のスニペットに示します。
Kotlin
override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) { super.onCreate(savedInstanceState) setContentView(R.layout.main) val action: String? = intent?.action val data: Uri? = intent?.data }
Java
@Override public void onCreate(Bundle savedInstanceState) { super.onCreate(savedInstanceState); setContentView(R.layout.main); Intent intent = getIntent(); String action = intent.getAction(); Uri data = intent.getData(); }
ユーザー エクスペリエンスを向上させるには、次に示すおすすめの方法を採り入れます。
- ディープリンクは、プロンプトや、インタースティシャル ページ、ログインなしで、ユーザーをコンテンツに直接誘導する必要があります。ユーザーがアプリを開いたことがない場合でも、アプリのコンテンツを表示できるようにしてください。対象コンテンツの表示後に後続の操作をユーザーが行った場合や、ランチャーからアプリを開いた場合は、プロンプトを表示しても構いません。
- 「戻る」と「上へ」を使用したナビゲーションで説明されている設計ガイダンスに沿って、ユーザーがディープリンク経由でアプリにアクセスした後の「戻る」ナビゲーションに対するユーザーの期待に合わせるようにします。
ディープリンクをテストする
アクティビティ マネージャー(am)ツールで Android Debug Bridge を使用すると、ディープリンク用に指定したインテント フィルタ URI が正しいアプリ アクティビティに解決されることをテストできます。デバイスまたはエミュレータに対して adb コマンドを実行できます。
adb でインテント フィルタ URI をテストする一般的な構文は、次のとおりです。
$ adb shell am start -W -a android.intent.action.VIEW -d <URI> <PACKAGE>
たとえば、指定 URI に関連付けられているターゲット アプリ アクティビティを表示するコマンドは次のとおりです。
$ adb shell am start -W -a android.intent.action.VIEW -d "example://gizmos" com.example.android
上記で設定したマニフェスト宣言とインテント ハンドラは、アプリとウェブサイトの間の接続と、受信リンクの処理内容について定義しています。ただし、システムでアプリが一連の URI のデフォルト ハンドラとして扱われるようにするには、この接続を検証するようにリクエストすることも必要です。 次のレッスンでは、この検証を実装する方法について説明します。
インテントやアプリリンクの詳細については、以下の参考リンクをご覧ください。