競争が激しさを増すアプリ エコシステムにおいて、優れたユーザー エクスペリエンスの提供は、アプリでクラッシュが発生しないようにすることから始まります。アプリでのクラッシュの発生を防ぐ最も効果的な方法として、あらゆる問題を発生時点で即座に把握し、トラブルシューティングに着手することが挙げられます。Android Vitals を使用して、アプリでクラッシュが急増している領域と、アプリの反応に関する問題を特定し、そのうえで、Firebase Crashlytics でカスタマイズされたクラッシュ レポートを使用してクラッシュの根本原因の詳細を確認することで、問題を修正できます。
解説
多発しているクラッシュを特定して優先的に対応することで、ユーザーや評価およびレビューに大きな影響を与える前に問題を修正することができます。クラッシュにつながったアプリ内のイベントの詳細情報を得ることで、クラッシュの再現や迅速なトラブルシューティングを行い、アプリのユーザー エクスペリエンスを最大限に高めることができます。
機能
- Android Vitals: クラッシュ発生率、ANR 発生率、過度の wakeup、その他の幅広い技術的品質の指標に基づいてアプリのパフォーマンスを確認できます。
- Firebase Crashlytics: アプリのクラッシュに関する、詳細なカスタム クラッシュ レポートのデータを入手できます。クラッシュは、スタック トレースの類似性に基づいて問題別にグループ化され、ユーザーに与える影響の深刻度に応じて格付けされます。自動レポートを受け取るだけでなく、カスタム イベントをログに記録して、クラッシュにつながる段階で捕捉することもできます。
この 2 つのクラッシュ レポートツールの類似点と相違点について詳しくは、以下の表をご覧ください。
ツールの機能 | Android Vitals | Firebase Crashlytics |
クラッシュ発生率 | ✓ | ✓ |
クラッシュ インサイト | ✓ | |
ANR(アプリケーション応答なし)のデータの提供 | ✓ | |
SDK やアプリの変更は不要 | ✓ | |
クラッシュ データをカスタマイズするログとキー | ✓ | |
NDK の詳細なクラッシュ トレース | ✓ | ✓ |
BigQuery へのクラッシュ データのエクスポート | ✓ | |
事前定義された Google アナリティクス イベント(パンくずリスト)のキャプチャ | ✓ | |
クロスプラットフォーム | ✓ | |
外部ツール(Jira、Slack、PagerDuty など)との統合 | ✓ | |
Anomaly アラート | ✓ | |
クラッシュ ステータスのトラッキングと指標悪化時のアラート | ✓ | |
非致命的な問題のログへの記録(例: 捕捉された例外など、プログラムの通常のフローを妨げる可能性があるイベントをログに記録する) | ✓ |
おすすめの方法
- Android Vitals のダッシュボードでアプリのパフォーマンスを確認します。クラッシュ発生率、ANR 発生率、過度の wakeup、停止した部分的な wake lock などを確認できます。通知設定で [Android Vitals に関する通知] を登録すると、主な指標が著しく悪化したときにメールで通知を受け取ることができます。
- カスタムログとカスタムキーを使用して、カスタム クラッシュ レポートのデータを取得します。カスタムログとカスタムキーを使用して、追加のクラッシュ データをログに記録します。これにより、ある時点の情報のスナップショットが提供されるとともに、クラッシュにつながったユーザー操作のイベントが記録されます。
- アプリを Google アナリティクスと統合して、事前定義されたイベントをキャプチャします。パンくずリストを使用して、事前定義されたアナリティクス イベントが自動的にキャプチャされます。パンくずリストは、カスタムログやカスタムキーと同様に、レポートの強化に役立ち、クラッシュ以前にユーザーが行った操作のほか、イベント内のパラメータを示します。
- クラッシュ データを細かく制御します。クラッシュ データを Firebase Crashlytics から BigQuery にエクスポートして、クラッシュ データのカスタム分析を実施します。