リリース前レポートと Firebase の機能を使用してアプリを改善する
アプリビジネスの成功は、高品質なアプリを配信できるかどうかにかかっています。品質を高めるには、さまざまなデバイスでアプリをテストする必要があります。リリース前レポートでは、自動化されたテストを実際のデバイスで実施して、レイアウトの問題の特定、クラッシュの診断、セキュリティ上の脆弱性の特定などを行います。さらに、Firebase Test Lab を使用してカスタムテストを実施できます。
解説
アプリのどこに問題があるかをリリース前に特定し、品質をできる限り高めてからユーザーにリリースできます。アプリのリリース前に問題を修正することで、ユーザーには改良したエクスペリエンスを提供できるため、評価やレビューの向上につながるほか、ユーザーのエンゲージメントを高めることができます。
機能
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リリース前レポート: デフォルトのクローズド テストトラックにアップロードしたときに見つかったアプリの問題を要約します。これらのアプリは、Firebase Test Lab のさまざまなデバイスで、安定性、パフォーマンス、互換性、表示、ユーザー補助における問題、およびセキュリティの脆弱性について自動的にテストされます。
問題が見つかった場合は、レポートにスタック トレース、スクリーンショット（該当する場合）、クロールした画面の動画のリプレイなど、問題の対処に役立つ詳細が表示されます。レポートで検出されたクラッシュが Android Vitals でも見つかった場合は、クラッシュの影響に関する情報を表示するリンクが作成され、クラッシュの修正を優先して対処できます。
- Firebase Test Lab を使用したカスタムテスト: アプリに対してテスト スクリプトを実行し、開発プロセス全体にわたって欠陥を捕捉します。
おすすめの方法
- デフォルトのクローズド テストトラックとオープン テストトラックを使用してリリース前レポートを作成します。作成した追加のクローズド トラックでは、リリース前レポートは表示されません。
- ビルドを比較して進捗状況を確認します。リリース前レポートの一部である [クラッシュ] タブには、前のビルドと比較したアプリの互換性を示すグラフが表示されます。レポートの各バーは、クローズド テストトラックまたはオープン テストトラックで最近テストしたアプリのビルドをそれぞれ表します。テスト中に、起動に成功および失敗した回数も一緒に表示されます。
- さまざまなバージョン、特に最新バージョンの Android でアプリの動作を確認します。リリース前レポートでは、アプリの [クラッシュ] タブの下半分ほどに、テストデバイスとその Android バージョンを示すレポートが表示されます。赤いアイコンは、アプリでテスト中に問題が発生したかどうかを表します。
- レイアウトの問題を見つけます。各テストの概要にあるスクリーンショットから、さまざまな Android バージョン、言語、画面解像度のテストデバイスで、アプリがどのように表示されるか確認できます。
- アプリの別のバージョンをアップロードすることを検討します。テストでは、アプリがデバイスに対応している場合でも、結果に「利用できないデバイス」と表示されることがあります。アプリの別のバージョンをクローズド テストトラックまたはオープン テストトラックにアップロードして、アプリがすべてのデバイスで動作することを確認してください。
- セキュリティの脆弱性を特定します。既知のセキュリティの脆弱性は報告されているので、ユーザーに対するアプリの安全性を高めるために措置を講じることができます。レポートでは、サードパーティ ライブラリの問題も調べています。APK で見つかったセキュリティの脆弱性の名前と説明が、各テストのリリース前レポートに表示されます。
- サポートされていない（非 SDK）API の使用を特定します。Android 9（API レベル 28）以降、一般公開の Android SDK に含まれていないインターフェースの使用に制限が適用されています。リリース前レポートの [安定性] タブには、Android Vitals によりアプリで検出された、サポートされていないプラットフォーム インターフェースが重大度別に分類されて表示されるので、優先順位を付けて対処できます。各インターフェースのスタック トレースが 1 つ以上表示されるので、API が呼び出される場所がすぐに見つかります。
- 地域の要件を取り除きます。アプリに地域への依存関係があり、テストデバイスが本拠とする地域ではこの依存関係が満たされない場合があります。このような場合、特に、アプリが国に基づくコンテンツの制限を受ける場合は、地域の要件を取り除いたアプリをクローズド テストトラックまたはオープン テストトラックに公開してください。
- テストの対象にしたいデータを組み込みます。プリロード データを使用するアプリをテストする場合は、アプリにメディア ファイルを組み込んで、クローズド テストトラックまたはオープン テストトラックに公開してください。
- Google Play ライセンス サービスを無効にします。アプリがまだ製品版トラックに達していない場合は、テストデバイス上のユーザーをアプリが正しく識別できるように、Google Play ライセンス サービスを無効にしたバージョンのアプリをクローズド テストトラックに公開します。無効にしない場合、テストの結果が限定されます。
- ログイン後の状態でテストを実施します。アプリにログイン画面がある場合、Android Vitals にテスト アカウントの認証情報を提供することを検討してください。これにより、テストを完全に実行できるので、最も人気の高いデバイスでのアプリのパフォーマンスを詳細に把握できます。
- デモループを作成して、ゲームの定義済み操作をテストします。デモループにより、リリース前レポートがゲームプレイのテストに関連付けられます。標準クローラは OpenGL に対応していません。OpenGL を使用して作成されたゲームの場合は、デモループを使ったバージョンのゲームをクローズド テストトラックまたはオープン テストトラックに公開します。
- テストを細かく制御して、主な機能のテストを確実に行います。特定の操作を実行する Robo テスト スクリプトを設定します。Espresso テスト レコーダーを使用して Android Studio に操作を記録し、アプリのリリース前レポートの設定に読み込みます。その後、テストクローラがスクリプトを実行して、結果をレポートに書き込みます。
- ディープリンクを特定します。アプリのディープリンクをリリース前レポートの設定に追加すると、テスト中にテストクローラによって実行されます。
- テストの概要でユーザー補助のエラー、警告、軽微な問題を確認します。テスト中に発生したユーザー補助の問題が報告されます。レポートの [ユーザー補助機能] タブで、問題がアプリのどの部分で見つかったかを特定する画面クラスタを確認します。また、ユーザー補助検証ツールでユーザー補助の改善案を特定する方法についてもご確認ください。