Topics API: 統合ガイド

Android 向け Topics API は、クロスアプリ識別子に依存せずインタレスト ベース広告をサポートするように設計されています。

広告主は、ユーザーの興味との関連性が高い広告を配信するよう努めます。たとえば、料理関連の情報に興味を持っているユーザーであれば、自分の興味と関係のない広告よりも、料理に関連する広告に高い関心を示すでしょう。

インタレスト ベース広告(IBA)はパーソナライズド広告の一種であり、ユーザーの興味や関心に基づいて広告が選択されます。Android 版プライバシー サンドボックスでは、こうした興味や関心はユーザーが操作したアプリから得られます。これは、現在表示されているコンテンツから得られる興味のみに基づくコンテンツ ターゲット広告とは異なります。IBA を使用すると、コンテンツ ターゲット広告より関連性の高い魅力的な広告をアプリで表示できます。

IBA は通常、アプリ、販売者、購入者間のコミュニケーションを伴います。このガイドは、購入者と販売者の両方を兼ねるネットワークと広告テクノロジーを含め、これらすべての関係者を対象としています。

Topics API は、デバイス上でのユーザーのアプリ使用状況に基づいて、興味に関する大まかなシグナルを推定します。こうしたシグナルを「トピック」といいます。トピックは、アプリ間で個々のユーザーをトラッキングすることなく IBA をサポートするために広告主と共有されます。

Topics API でインタレスト ベース広告を実装する際に考慮すべき重要な事項は次のとおりです。

  • ユーザーの興味の推論はデバイス上で処理される: ユーザーのデバイスにインストールされているアプリに関するユーザーの情報がデバイスの外部に送信されることはなく、プライバシーが保護されます。ユーザーのクロスアプリ データがデバイス外に送信され、広告テクノロジー サーバーで処理されるという、現在よく使用されているモデルとは対照的です。Topics API が提供するシグナルを広告選択のパーソナライズ モデルや最適化モデルに使用する場合など、特定のタイプの処理は引き続き広告テクノロジー サーバーに残ります。

  • 購入者と広告主はセルサイドに依存する: トピックを取得するには、セルサイドのアプリと SDK が少なくとも 1 エポックの間 Topics API のオブザーバーとなって、フットプリントを確立する必要があります。

用語

  • 広告主: 広告枠の購入という手段を通じてユーザーを引き付ける企業。
  • パブリッシャー: コンテンツに加え、空いている広告枠を販売する企業。
  • 購入者(またはバイサイド): 広告主による広告枠の購入を手助けする広告テクノロジー企業。
  • 販売者(またはセルサイド): パブリッシャーによる広告枠の販売を手助けする広告テクノロジー企業。
  • ネットワーク: 購入者と販売者を兼ねる広告テクノロジー企業。
  • 所有および運営: パブリッシャー、販売者、購入者を兼ねる企業。

目標

IBA が業務上重要である場合は、アプリのビジネスケースの観点から Topics API のバージョンを運用してください。Google はお寄せいただいたフィードバックを基に API を改善します。設計と開発の障害を取り除いてベータ版リリース時にトピックを取得できるようにしたいと考えています。

現時点で、Android 版プライバシー サンドボックス デベロッパー プレビューの統合計画の目標には、以下を行うことが含まれています。

すべての広告テクノロジー

  • Topics の分類を確認し、含まれるトピックについてフィードバックを行います。
  • Topics API サンプルアプリを試して、デバイス上の分類器から返されるトピックデータを確認します。
  • Topics API の呼び出しを開始するようアプリと SDK のフローを更新します。
  • プロトコルを更新して、広告リクエストでトピックの送信を開始します。
  • プライバシー サンドボックスに広告テクノロジーを登録します。

セルサイド広告テクノロジー

  • オブザーバーになって Topics API のフットプリントを確立します。Topics API は新しいシグナルであるため、Topics API の呼び出しを開始するよう SDK を更新する必要があります。一貫してトピックを取得するには、アプリはエポックごとに少なくとも 1 回 API を呼び出す必要があります。広告リクエストで送信するトピックの最大数(3 つのトピック)を取得するには、最大 4 エポックを要します。
  • 広告リクエストに Topics API の情報を含めます。広告リクエストごとに、バイサイド パートナーとの Topics API データの共有を開始します。Topics API では、特定の訪問者に適した広告を見つけやすくするために他のシグナル(コンテキスト シグナルなど)を補完することも予定されています。
  • バイサイド パートナーとトピックを共有するためのプロトコルに共同で取り組みます。Topics API では、各 SDK がダウンストリームのパートナーと連携して Topics API のデータの共有方法に同意する必要があります。

バイサイド広告テクノロジー

  • セルサイド パートナーに連絡し、トピックをモニタリングしてフットプリントを確立する計画について確認します。トピックを受信するには、セルサイド プロバイダはエポックごとに少なくとも 1 回 Topics API を呼び出す必要があります。
  • セルサイド パートナーからトピックを受け取るためのプロトコルに共同で取り組みます。トピックは、広告リクエストの一部としてセルサイド パートナーが共有する新しいシグナルです。バイサイドの消費者は、トピックの共有方法についてアップストリームのパートナーと連携するようにする必要があります。
  • 入札や最適化のモデルにトピックを組み込みます。Topics API は、コンテキストに合ったものなど、その他のシグナルを補完して訪問者に適した広告を見つけやすくすることが期待されています。

前提条件と準備

アプリ デベロッパー、販売者、購入者は、Topics API を使用するために次の手順に沿ってセットアップする必要があります。

API をよく理解する

  1. まず設計案を読み、Topics API とその機能をよく理解します。
  2. デベロッパー ガイドを読み、ユースケースに必要なコードや API の呼び出しを組み込む方法を確認します。
  3. 分類を確認し、リストに含まれるトピックについてフィードバックを提供します。
  4. 設計案やドキュメントについてフィードバックを送信します。
  5. 登録して Topics API に関する最新情報を受け取ります。これにより、今後のリリースで追加される新機能を常に把握しておくことができます。

サンプルアプリのセットアップとテスト

  1. このページの手順に沿って Android Studio で Android 版プライバシー サンドボックス SDK をセットアップします。
  2. サンプルアプリの Java または Kotlin でコードをフォークして実行し、デバイス上でトピックを取得する方法に慣れてください。
  3. テストの際、名前と説明のアプリ情報を試して、デバイス上の分類器から返されるトピックを変更します。
  4. クライアント API とデバイス上の分類の仕組みを理解したら、サンプルアプリを例として、独自の統合を進めます。

ヒント: アプリに返されるトピックデータの有効性を慎重に確認してください。分類または分類法に改善の余地があると思われる部分を特定し、分類を改善する方法について推奨事項がある場合はフィードバックを送信してください。